社長公募が問いかけたワンマン経営の落とし穴

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 自社にいなければ連れてくればいい--。前回は06年、RHJインターナショナル(旧リップルウッド)に20%の資本出資を仰ぎ、日産自動車の常務取締役を務め、当時、部品メーカー・ナイルスの社長だった竹辺圭祐氏(現キムラタン社外取締役)を招聘。社長を譲った。

しかしその竹辺氏がナイルスとの合併を進めたことや、新工場の土地取得問題、同氏が雇った50人以上の中途採用者のうち15人が日産やナイルスの出身者だったことが、「経営の私物化」だとして最高顧問に退いていた田邊氏の怒りを買う。水面下で根回しが進められ、07年9月の取締役会で竹辺氏の解任を決議、辞任に追い込んだ。

「今思えば経営スタイルが根本から違っていた」と竹辺氏は当時を振り返る。田邊社長の経営スタイルは「従業員は半数でよい」「外部購買の大幅見直し」「海外企業への営業攻勢」などメーカーの経営者としてはやや異色。対する竹辺氏は、日産の購買出身のたたき上げ。カルロス・ゴーンの下で経営再建のノウハウを学び、常務に駆け上がった竹辺氏と、田邊社長とでは、目指す方向が大きく異なっていた。


新社長候補は外務省のキャリア官僚

次期社長候補の八重樫氏は、高校時代に甲子園に出場し、東大法学部在学中も野球部のキャプテンを務めた経歴の持ち主だ。

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