子育ては「よい母親」より「幸せな母親」を目指す 12人を産み育てた助産師が辿り着いた境地
食べる努力ができるようになるのは「嫌いな野菜も、一口でもがんばって食べてみよう」という意識が芽生えてから。だから、5歳、いや小学生ぐらいまで待ってあげてもいいかもしれません。うちの子は、そんな感じで全員、ちゃんと野菜が食べられる子に育ちました。気長にその日を待ちましょう。
「ごめんなさい」を無理に言わせるのは意味がない
ブランコで遊んでいた3歳の子。お友達に「かーしーて」と言われて、「あーとーで!」とお返事しました。「替わってあげてもいいけど、今私が乗ったばかりだから、ちょっと待ってね」。「イヤ」と全否定はせず、かといって「いいよ」と相手の思いどおりにもさせず。やわらかさもあって、すてきな言い回しです。
わが子が「かして」と言われる場面に直面すると、「ほら、貸してあげなさい。順番でしょ!」と諭すママは多いですが、どんなときでも「かして」→即座の「いいよ」が正解というわけではありません。「使い始めたばかりなのに」「前回は使えなかったから、今回はたっぷり楽しみたいのに」といった子どもの気持ちを無視して「すぐに貸してあげられる子=い
い子」という図式に無理やりあてはめられるのはつらいもの。
また、わが子に「ごめんねって言いなさい!」と諭すとき。「何がごめんなのか?」が理解できないまま謝らせると、その子にとって、「ごめんね」はまったく意味のない言葉になってしまいます。「僕は悪くないのに」「わざとじゃないのに」といった言い分もろくに聞かず、体裁よく「ごめんね」「いいよ」でまとめてしまうのは、大人都合の短絡的な解決方法といえます。
子ども同士のトラブルが起きたときこそ、コミュニケーション能力を磨くチャンス。自分がどう思っていて、どうしたいのか。そして、相手の気持ちはどうなのか。それらを考えたうえで、心から悪かったと思えたら「ごめんね」、相手の気持ちを思いやることができれば「いいよ」が言えるようになります。
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