Netflixのトップが、日本戦略の全てを語った 日本市場をどのように攻めるのか

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この6000万人を超えるネットフリックス会員は、月間に20億時間にわたって映画・ドラマを視聴している。1人平均33時間視聴している計算で、テレビすら毎日1時間見るとは限らないことを考えれば、ネットフリックスの存在感がわかるだろう。

オックスフォード英英辞典は2013年11月、「binge-watch(ビンジウォッチ)」を、同年を代表する言葉に選んだ。日本語でいうと「イッキ見」。ドラマなどを見るのがやめられず、中毒的に何話も続けて見る様子を表している。この言葉が大流行したのは、ネットフリックスが独自制作した政治ドラマ『House of Cards(邦題:ハウス・オブ・カード 野望の階段)』を、同年2月に公開したのがきっかけ。1話ずつの配信という定石を覆し、1クール13話を一挙に配信したところ、画面にかぶりつく人が続出したのだ。

時価総額はすでに4兆円

世界での会員増につれ年商も着実に拡大している。2014年は前年比25%増の55億ドル(6591億円)に上った。驚くべきは株価だ。時価総額はすでに355億ドル(4.2兆円、5月15日の終値ベース)に達しており、日本企業でいえばパナソニック、日立製作所と同規模だ。特に好決算を発表した4月中旬以降は株価上昇が著しく、上場しているナスダック市場でも注目銘柄のひとつなのだ。

この破竹の成長企業の上陸を、日本の放送関係者は固唾を呑んで見守っている。映像コンテンツを買い付けたり、放送局などに独自ドラマの制作を発注したりするネットフリックスは、日本の放送局にとって大口顧客といえる。特に独自コンテンツについては、すでに複数の放送局と具体的な協議に入っているが、その費用はドラマ1クール当たり2億~3億円が提示されているようだ。

だが同時に、ネットフリックスは放送業界の破壊者でもある。米国で既存のテレビ放送を侵食して成長してきたからだ。

 米国では月6000~1万円の料金を払ってケーブルテレビ(CATV)に加入し、番組を視聴するのが主流。ところが低料金でコンテンツの豊富なネットフリックスの登場で、CATVを解約する視聴者が相次いだのだ。この現象は「コードカット」と呼ばれている。

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