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日銀の植田総裁に問われる「レビュー」の姿勢 「異次元緩和政策」も真正面から論じるべきだ

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日銀の植田総裁は過去の金融政策の検証を始める。異次元緩和政策についても真正面から論じるべきだ。

日本銀行の植田和男総裁(右)は黒田東彦前総裁(左)
日本銀行の植田和男総裁(右)は黒田東彦前総裁(左)の政策をどう評価するか。写真は2016年5月撮影(写真:共同通信)

「絵から写真になったよ」

日本銀行関係者なら、この暗号めいた一言で事情を理解する。

東京・日本橋本石町の日銀本店。辰野金吾設計の旧館2階。窓のない廊下には、歴代総裁の肖像画が並び、通る者を睥睨(へいげい)してきた。

ただ、肖像画は第26代の三重野康氏で途切れる。次の松下康雄総裁以下、速水優、福井俊彦、白川方明各氏は写真が飾られている。

どれも高名な画伯の筆による肖像画は、1点当たりの価格が高い。例えば三重野氏が1400万円、その前任の澄田智氏が1300万円(1997年5月15日付日本経済新聞朝刊)。97年の日銀法改正時に国会で問題になった。

肖像画に比べ写真は格段に安い。総裁の写真4枚と額縁8点に展示作業代を加えた価格は消費税込みで75万9000円だ(情報公開法で入手した2020年3月30日付の「役務契約締結・発注書」)。ちなみに写真だけなら4枚で2万8000円。額縁を8つも購入したのは、将来の総裁用にストックしておくためだそうだ。

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