マイナンバーカード問題の本質はデジタル敗戦ならぬデジタル「庁」敗戦だ。制度設計の見直しが不可欠。
通常国会は閉会したが、岸田内閣の支持率も自民党の支持率も下がり続けている。防衛費や子ども関連予算の増額と引き換えに、国民負担をいつの間にか増やしている。併せてウクライナ戦争による世界的な物価高は人々の生活を直撃している。
だが、それらに加えて国民の不満を強めているのが、マイナンバーカードをめぐる混乱である。他人の住民票が誤発行された問題、給付金の受取口座のひも付けが誤登録された問題、さらには2024年秋までに現行の健康保険証を廃止してマイナンバーカードへ統合するという決断。国民の反発が高まった。
各種世論調査では共通して、マイナンバーカードをはじめとするデジタル政策への反対が多い。にもかかわらず、政権は保険証を統合する方針を変えようとしない。これでは内閣支持率は上がらない。
政策決定主体に専門家の不在
こうしたマイナンバーカードの問題は、これから起こりうる政策失敗を予想させる。この政策の司令塔であるデジタル庁が機能不全を起こしているからである。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら