日清食品HD、営業が「生成AI集中特訓」で得た実感 質問のテンプレ作成し、400時間の業務削減も?

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数々のロングセラーを誇る日清食品グループ。4月に生成AIの社内導入をしたのち、まずは営業部門でどんな用途で活用できるかを検証。マーケティングや本社部門などにも広げる方針だ(記者撮影)(写真:記者撮影)
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生成AIを社内で使えるようにしたのはいいが、使いこなしている社員はごく一部――。そんな悩みを抱えている企業は少なくない。

そこで参考になるのが、日清食品ホールディングスの取り組みだ。

「インスタ映えを狙ったカップヌードルのフェス」「アートコンテストの開催」「地元食材を使ったアレンジレシピの試食コーナー設置」「スマホアプリを使った脱出ゲーム」――。

多彩な売り場の企画を提案した「主」は、日清食品HDが4月に導入した対話型AI「NISSIN AI-Chat」だ。

これらのアイディアは、営業担当者がAIにスーパーとの共同企画を出してもらったときの一例。営業担当者が見て、納得できる提案もあったという。

営業が生成AIへの「質問力」を特訓

日清食品HDは、「チキンラーメン」「カップヌードル」といったロングセラー商品に加え、営業担当者が提案するエンタメ性のある売り場づくりが強み。得意の企画力をAIにサポートしてもらうことで、さらに磨き上げようというわけだ。

もっとも、現場で使えるレベルの提案をさせるにはAIへの指示文であるプロンプトの書き方にコツがいる。

たとえば冒頭の売り場企画を提案させるうえでは、「あなたは優秀な企画コンサルタントです。各種前提を理解したうえで、過去の成功事例を参考にゴールを追求してください」と入力してある。

そのうえで、AIが考慮すべき条件としてスーパーの店舗数、対象地域、中心となるターゲット層、経営課題なども具体的に明記した。

営業担当者がバイヤーと商談をするうえでのロールプレイングでも、対話型AIを使っている。AIが顧客であるバイヤー役を務め、営業側がうまくプレゼンできればバイヤーの購買意欲に応じて点数が上がっていく。どうすれば相手の関心を高めて心証をよくできるか、営業担当者も面白がって練習しているという。

このように用途に応じて生成AIをうまく使うには、プロンプトでどう命じるかがキモ。営業担当者が必要なスキルを身につけるにあたっては、社外の知見を活用。スタートアップのギブリー社の協力の下で、トレーニングプログラムを構築。営業担当者は研修と各自での演習を通じて、ノウハウを身につけてきた。

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