32歳校長「国公立大0→20人合格」させた凄い改革 定員割れだった「福岡女子商業高校」の奇跡

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「自分を変えたいと思うのではないでしょうか。実際に合格した先輩たちがスピーチするんです。『私は今まで本当に勉強ができないと言われてきたけど……』みたいに。挑戦することで、学力だけでなく自信や希望も手にした先輩たちの姿は輝いています。それに、親子関係も変わります。『先生、先輩はできたかもしれないけど、うちの娘はすぐに諦めますから』と言っていた保護者でも、三者面談で生徒の小論文ノートを見せると、信じて応援してくれることが多いんです」

「校長になってみると、学校は校長の裁量が大きくて自由だとわかった」という柴山さんは、この2年でいろいろな取り組みを仕掛けてきた。

例えば、生徒主体で学校の広報活動を行う「キカクブ」を立ち上げると、TikTokのフォロワーが3万人を超え、1つの動画が再生900万回以上と話題に。

新入生は2020年の94人から2023年217人と右肩上がりだ。また、1人の生徒が校長室を訪ねて「制服を変えたら女子商はもっと人気が出る」と話したことから、新制服プロジェクトがスタート。生徒が中心となり学生服メーカーと有名アパレルと話し合いを重ねて、自慢の制服が完成した。

生徒が変化を起こせる学校にしたい

修学旅行プロジェクトでは旅行会社4社と生徒2人ずつが4チームになり、ワクワクする修学旅行のプランを作成して、生徒の投票で一番人気だったプランを採用した。ほかにも、校則を大幅に改訂したり、大学や企業とコラボしたり、朝のホームルームの始まりを8:30から9:20にしたりと、生徒の声を聞きながら常識にとらわれず次々と改革を実行している。

「どんなに小さなことでもいいんです、生徒たち自身が変化を起こせると感じられる学校にしたい」と柴山さんは力を込める。女子商の認知度が上がり、新入生も年々増えている。「着任当初、生徒や教職員は自分や学校にあまり誇りを持っていない印象を受けました。でも、今はみんな明るく堂々として、生徒が『最近、女子商ってうらやましがられるやん。女子商に行けばよかったっていう子がたくさんいますよ』と教えてくれて、とてもうれしいです」

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