こうしたサービスが利用可能となり、貧富の差が縮小することが期待される。
「ChatGPTを家庭教師として用いるのは、必ずしも学齢期の学生に限られたことではない。ChatGPTは、社会人の勉強においても、家庭教師の役割を担っていくだろう。外国語やプログラミングの勉強には、すぐにでも使うことができる。
回答が正確になれば、試験制度にも影響
ただし、現在のChatGPTでは、幻覚(ハルシネーション)による誤りがある。そのため、ChatGPTの回答を完全に信頼するわけにはいかない。しかし、将来は技術の進歩によって正確性が増すだろう。
現在でも、特定のデータベースにAPI接続し、正確な回答のみを得ることが可能だ。すでに、GPT-4を統合した学習支援サービスが登場している。例えば、語学学習アプリのDuolingoや、教育プラットフォームのKhan Academy、さらにはLINEのAI先生【体験版】など。東洋大学は、5月9日にAI利用教育システム「AI-MOP」の開発・導入を発表した。
近い将来に、さまざまな学習用アプリが登場すると予想される。特に、入学試験や資格試験のためのアプリが増えるだろう。
小学生の勉強や社会人の学習などといった広い区分けでなく、資格試験に特化した学習アプリが数多く登場するだろう。また、学校の受験に関しても、各大学や中学校に特化したアプリが現れることが予想される。
これによって、学習塾や予備校、社会人向けの教育講座などは大きな影響を受けるだろう。そうしたサービスを提供してきた個人や機関にとっては、存亡にかかわる問題となる。家庭教師は、多くの学生にとって重要な収入源であり、それがChatGPTによって代替されてしまうことは、深刻な課題となる。
それだけではない。資格試験そのものの必要性も再考されるだろう。ChatGPTに聞けば容易にわかることなら、誰でもできるわけであり、資格を持つ人だけができるということではなくなるからだ。
さらに、学校の入学試験や就職試験も、根本的な変革を迫られるだろう。実際、学生の就職活動において重要な役割を果たすエントリーシートを30秒で作成するサービスが登場し、企業は選考方法を変えざるを得ないだろうとされている(朝日新聞6月26日)。
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