プーマ出身CEOが語る最高峰「ハーレー」の魅力 限定生産、549万7800円からの旗艦2モデル投入

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プーマでの長い経験がハーレーの経営に活きているのだろうか。もしそうだとすれば、どんな点なのだろう。

「私が最初にリーダーシップをとった時、プーマは今と比較できないぐらい小さいブランドであり、本当にコテコテのドイツ企業という感じだった。その時のプーマと、今のハーレーダビッドソンはまったく違う。プーマでは常にたくさん時間をかけて、大変良いチームを作り上げることができた。当時の私はとても若く、恐れ知らずだった。危機的な状況もチャンスと捉えていたし、むしろワクワクしていたと思う。そして危機的状況から脱し、成功に導くことができて良かった。どのブランドもどの企業も、やり方や課題はまったく違うので、1つのやり方でどの会社にも使える方程式はない。ハーレーダビッドソンに関しては、われわれは今世界で最も望ましい、最も人が欲しいと思ってもらえるようなバイク、そしてバイクカルチャーのライフスタイル・ブランドを作り上げることに注力している」

「『私もハーレーダビッドソンの社長になりたい。どんな努力をすればいいですか?』と聞かれたら、どう答えるのか?」と尋ねてみた。

「ブランドやモーターサイクル自体に対する情熱を持っている必要があるし、常に業界のリーダーであり続ける意欲と能力が必要だ。良いチームを常に維持し、育て、一緒にやっていくことも必要なスキルだと思う。誰もひとりだけで成功できるわけはないのだから」

ハーレーCEOの傍ら、自身の事業も手広く手掛ける国際的に注目される経営者と聞いて、1を尋ねれば10の答えが返ってくる饒舌さを想像していた。しかしツァイツ氏は、終始まっすぐにインタビュアーの目を見て、クールかつ端的に、必要なことだけを答える人物だった。

新型2モデルの特徴は

そんなツァイツ氏が自信を持って送り出す「CVOストリートグライド」と「CVOロードグライド」はどんなバイクなのか。2つのモデルは基本構造を共通とするが、カウルが低い位置のハンドルにマウントされる前者に対し、後者はフレームにマウントされる。ロードグライドはよりレイドバックした運転姿勢を採ることができる。

新型CVOストリートグライド(右)とCVOロードグライド(左)(写真:ハーレーダビッドソン ジャパン)

これらのモデルが属する「グランド アメリカン ツーリング・シリーズ」は、ハーレーの中でも古典的な外観と最大級のボリューム感を主張し続けてきた。新型は、LEDヘッドライトのグラフィックを中心にそのスタイリングではっきりと「新しさ」を主張するほか、さらにパワーアップしたエンジンを搭載するのが特徴だ。

新型エンジンの名は「ミルウォーキー エイトVVT 121」。121はキュービック・インチの単位で排気量を示し、馴染みのあるcc単位でいえば1977ccとなる。従来型「117」ユニットから排気量を拡大したことに加え、VVTすなわち可変バルブタイミング機構が装着されたことが特徴だ。低速からの力強さがさらに高まっており、燃費も向上しているという。従来型に比べて、最高出力は+9.5%の115HP/5020rpm、最大トルクは+8.0%の183Nm/3500rpmに達する。

新しいエンジンを支えるフレームは、マウント部分以外の基本構造が従来型と共通。ブレンボ製ラジアルフロント・ブレーキキャリパー、倒立式フロントフォーク、ダンピング&プリロード調整式リアサスペンションなどを新採用して操縦性を高めている。

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