新交通消え「桃花台ニュータウン」はどうなったか こまめに走るバス路線網が「鉄道不要」を証明?

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現在、桃花台ニュータウンから利用できるバス路線は、主に5種類もある。桃花台新交通の廃止代替路線バスは小牧市内に本社があるあおい交通が運行。「ピーチバス」との愛称が付けられている。

起点は小牧駅前(一部は小牧市役所前)で小牧原駅前を経由し、桃花台新交通が走っていたルートを忠実にたどって、ニュータウンの中心地である桃花台センターへ至る。そしてニュータウン内(光ヶ丘地区・城山地区)を一周して、再び桃花台センターから小牧駅へと戻る。

朝は15〜20分間隔、それ以降は30分間隔運転が基本だ。廃止時の桃花台新交通が約20分間隔だったことを思えば、輸送力としては小さい。朝夕は混雑が見られるが、途中にある三菱重工などの事業所への通勤客の利用が目立つ。小牧駅―桃花台センター間の所要時間は約20分。運賃は300円である。

名鉄小牧駅前のバス
名鉄小牧駅前で発車を待つ各種路線バス(筆者撮影)
小牧駅付近を走るピーチバス
小牧駅付近を走るピーチバス(筆者撮影)

新交通の代替ルートの利便性

「桃花台バス」は、それまでニュータウンと距離的にはいちばん近いJR春日井駅を結ぶバスがなかった不便を解消するため、会員制自主運行バスとして2002年にあおい交通へ委託する形で営業を開始した。その後の規制緩和により、ピーチバスと同様の路線バスに変更されて今に続いている。

桃花台新交通廃止に伴って新設された名鉄バスの春日井・桃花台線とは、途中経路を変えて共存しており、朝、昼、夜と時間帯によってもルートを変えて、需要に応じている。平日朝の春日井駅前行きは6〜8時台に9本、夜の春日井駅前発は17〜21時台に11本の設定。桃花台内―春日井駅の運賃は300円だ。

JR春日井駅から桃花台センターを通って、やはり光ヶ丘地区・城山地区を一回りして、桃花台新交通の終点であった桃花台東を終点とする名鉄バス春日井・桃花台線30・31系統も、2006年の桃花台新交通廃止により設定された代替ルートだ。幹線道路をほぼ一直線に進む。桃花台センター―JR春日井駅間の所要時間は23分で、運賃は320円。春日井からはJRで、大曽根、金山、名古屋などへ乗り換えなしで行ける。

現在は朝7時台にはJR春日井駅行きが5〜6分間隔で運転され、日中も桃花台の住民の利用が多いとされる春日井市民病院を経由する便が30分間隔で走る、ニュータウンの基幹的な公共交通機関となっている。お昼前の春日井駅行きに乗ってみたが、若い人が多く乗ってきて、活気があった。春日井駅では駅舎のすぐ前のバス停に着き、雨の日でも楽に乗り換えられる。

春日井駅前に到着した桃花台バス
春日井駅前に到着した桃花台バス(筆者撮影)
春日井駅前の名鉄バス降り場
春日井駅前の名鉄バス降り場(筆者撮影)
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