池上彰氏「ネット上のウソ情報に騙されないコツ」 オススメしたいのは新聞の読み比べ

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フェイクニュースやデマに釣られ、あわてて拡散して恥をかくのは避けたいものです。だまされないためには、「おかしい」と気がつく「メディア・リテラシー」を備えておくことが必要でしょう。

メディア・リテラシーとは、メディアからの情報を読み解く、見極める能力です。メディア・リテラシーを磨くには、さまざまなメディアに触れて、いろいろな視点、伝え方があることを知るのが大切です。

「メディア・リテラシー」を備えるためにできること

そのためにひとつおすすめしたいのは、新聞を読み比べてみることです。

新聞によって、同じニュースでも、取り上げ方や伝え方がまったく違う場合があります。

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ニュースというのは客観的なものだというイメージがあるかもしれません。実際、新聞は「客観報道」を装っています。しかし、実は新聞によって伝え方は違います。ときには、同じニュースのはずが、正反対のことが書いてある場合さえあります。

子どものころから慣れ親しんでいた新聞からは、気がつかないうちに大きな影響を受けています。1紙を読み続けていると、その新聞が持っているバイアス(偏り)を意識できなくなります。

だからこそ、誤ったニュースにだまされないために、そして、新聞をより楽しむためにも、新聞の読み比べをおすすめしたいのです。

1紙は保守系、1紙はリベラル系といったように、論調の異なる2紙を読むとよいでしょう。新聞の個性やクセを理解し、賢く付き合っていきたいですね。

池上 彰 ジャーナリスト

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いけがみ あきら / Akira Ikegami

1950年、長野県生まれ。1973年慶応義塾大学卒業後NHK入局。ロッキード事件、日航ジャンボ機墜落事故など取材経験を重ね、後にキャスターも担当。1994~2005年「週刊こどもニュース」でお父さん役を務めた。2005年より、フリージャーナリストとして多方面で活躍中。東京工業大学リベラルアーツセンター教授を経て、現在、東京工業大学特命教授。名城大学教授。2013年、第5回伊丹十三賞受賞。2016年、第64回菊池寛賞受賞(テレビ東京選挙特番チームと共同受賞)。著書に『伝える力』 (PHPビジネス新書)、『おとなの教養』(NHK出版新書)、『そうだったのか!現代史』(集英社文庫)、『世界を動かす巨人たち〈政治家編〉』(集英社新書)など。

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