「すぐ辞めてしまう」新卒社員が抱える2つの背景 活躍する人に共通するキャリア設計術とは

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例えば、日本語の文章を書くということであっても、大学までに学んできたことと、会社で求められることは異なります。ビジネスライティングでは、読者の心理や置かれている立場などを汲んだうえで、何らかの行動を促すことを目的に作成されることが大半です。

当然、論文とは書き方が違ってきます。新卒社員が議事録を作成すると、上司から赤入れをされて元の文章がひとつも残らないという笑い話は、いろいろな職場で聞かれます。

基礎的なビジネススキルや協業するスタンスを身につけてから入社すれば、短期間で成果が出やすくなります。顧客や周囲の先輩社員からも喜んでもらえて、仕事が楽しくなるでしょう。

そうなれば、努力するエネルギーが自然に湧き、ますます成果があがるという「良循環」に乗ることができます。私たちも数多くのビジネスリーダーのキャリア形成を支援してきましたが、社会で幸せに活躍するためには、この良循環に乗ることが大切だと考えています。長期インターンの経験は、社会人としてよいスタートを切るうえで、大いに役立つことでしょう。

長期インターンは学業の妨げになる?

一方で、長期インターンへ参加することは、学業の妨げになるのではないかと懸念する声もあります。

しかし、長期インターン生を受け入れてきた私たちの経験では、むしろその逆の効果があるのを感じています。長期インターンを経験すると、大学での学業や研究が、社会でどのように活かされているのかを知ることができます。それが学びのモチベーションになり、むしろ学業への好奇心が高くなるケースが多いのです。

長期インターンがきっかけとなり、単位取得のためだけの授業選びから、将来につながる本物の学びとなっていくケースを、数多く目の当たりにしてきました。実際、ビジネスの世界に関心があり、大学1年時にIT企業で長期インターンの経験をした学生が、データサイエンスに興味を持ち、大学院へ進学してアカデミアの道を志すといった事例もあります。

また、そもそも学業の時間を削らなくても、アルバイトやサークル活動、飲み会に使っている時間を長期インターンに当てればよいということも多いでしょう。高度なITスキルなどを持っていなくても、時給1000~1500円程度の報酬を得られる長期インターンが大半です。ぜひ学生の皆さんには、将来を見据えて挑戦してほしいと思います。

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