素材にリサイクル、身軽な経営もサステイナブル TBM山﨑敦義は「それなりの成功」に満足しない

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山﨑:もともと、LIMEXの活用について、神奈川県と一緒に、LIMEXの使用から回収・再製品化までを推進するコンソーシアムを立ち上げていました。このご縁がきっかけで、われわれと一緒に横須賀市が、プラ新法に基づくプラスチックの再商品化計画の策定(横須賀市の容器包装プラスチックに加え、製品プラスチックを一括回収)に取り組んでいただき、環境大臣および経済産業大臣認定を取得できたんです。

強い思いをもって力を貸してくれる自治体の存在というのは非常に大きかった。

横須賀工場は2022年11月11日の竣工ですが、すでに自治体などから排出される多くの廃プラスチックを引き受けるメドが立っています。自治体もそうですし、地元の産業廃棄物業者さんも「モノに生まれ変わらせてください」といって運び入れてくれます。

今までお金を払って燃やしていたものが別の形に生まれ変わるんです。

井上:持ってきていただくときには、処理費用として徴収できる。だからビジネスとしても成り立つということですね。家庭から出るゴミなどは自治体が負担するのでしょうか。

廃棄物は処理費をもらい、良質端材は代金を払う

山﨑:家庭から出る廃プラスチックは一般廃棄物として行政によって回収され、指定業者に届きます。そこでマテリアルリサイクルされれば、その分量に応じて処理料を貰える仕組みです。

その処理料は、日本容器包装リサイクル協会への委託金から捻出されます。容器包装リサイクル法で、プラスチックの容器包装を使っているメーカーは、日本容器包装リサイクル協会に委託金を収めることになっているんです。

一方、会社や工場など事業所から出る廃プラスチックは産業廃棄物です。産業廃棄物は、ビルの管理会社らが処理費を払って、収集運搬業者さんに渡して焼却するのが一般的です。その産業廃棄物と同じものをTBMに持ってきていただければ、焼却するのではなく、ちゃんとマテリアルリサイクルしますよという事業を始めました。

もう1つは、工場におけるものづくりの過程で出てくるマテリアルの引き取りです。たとえば、ガチャンガチャンとプレスすると、端材が出ますよね。これって結構良質なプラスチックなんですね。一定量でてくるというのもあって、われわれがお金を払って買うことにしています。

TBMのビジネスモデル図解
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