ドラマ「unknown」挑戦的すぎるキスシーンの真価 高畑充希の"キス研究"が開花して名作の予感

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どこに向かっているのかunknownな本ドラマを大まかに説明すれば、考察恋愛ストーリーである。こころと虎松の住む街で数年前から起こっている謎の連続殺人事件に吸血鬼たちが関わっているのか? また、20年前、虎松の父の犯した事件と最近の事件には関わりがあるのか? 物語の縦軸はこのミステリーで、公式サイトでは「犯人考察キャンペーン」が行われている。

横軸は、こころと虎松のラブストーリーである。血まみれの凄惨な殺人現場のシーンがありつつ、一方で、やたらと濃密なキスシーンが何度も出てくる。こういうさまざまな要素が交ざりあった作品はジャンルミックスと言う。

多様化するユーザーの興味に応えるために、1作の中にいろいろなジャンルを交ぜることはテレビ離れへの苦肉の策ともいえるだろう。いろいろな要素が入っていれば、不特定多数の視聴者に何かしら刺さるものがあるだろうし、長いものを見る集中力のない飽きっぽい現代的なユーザーは、どんどん展開していくものをつまみ食いするように、飽きずに見ることができるかもしれない。

『unknown』の場合は、ジャンルミックスというか、ジャンルをunknown(謎)にすることで、新たなエンタメの可能性を模索しているとも言えるだろう。

手間ひまかけた「キスシーン」

さて。ここで注目したいのは、「考察」パートではなく、「恋愛」パートである。なにかにつけ、こころと虎松が、広告映像のような素敵なムードでキスをする。桜の中で、火事現場で、街中で――ロマンティックで濃密なキスが交わされる。

ある時、こころは、同僚のカメラマン・加賀美(町田啓太)ともキスして、虎松の嫉妬心が煽られるというエピソードもあった。これはもう視聴者の、田中圭や町田啓太のようなイケメンとキスしたい願望をくすぐるサービスシーンでしかないと思うが、そのシーンを作るためにものすごく気合が入っているように感じるし、その熱意は評価に値する。

手間ひまかけたキスシーンを見て、筆者は、高畑充希のキス研究が花開いたと感じた。さかのぼること2022年1月、高畑充希は、他局のバラエティー番組で、韓国ドラマのキスシーンについて熱く語り、それがネットニュースでも取り上げられた。

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