又吉直樹「立派な大人だという自信は全くない」 レストランでまさかの入店拒否されたことも…

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 (写真/内田裕介(Ucci))

『LEON』読者は場の雰囲気を大切にするやさしい人

—— 最後に『LEON』のイメージをお聞かせいただけますか?

又吉:清潔な人が購読しているメディア、という印象です。大人になってひと通りの恋愛を経験し、公私ともに落ち着いてくると自分の身なりに気を使わなくなる人も多いと思いますが、『LEON』読者はその場に置かれた自分を常に意識して、周囲の人に不快な思いをさせないと配慮している、やさしい人たちなんじゃないでしょうか。

ぼくも、例えば今夜、夕食に出かけるお店が高級店なのであればスカジャンではなくジャケットを着ていこうという配慮はするのですが、『LEON』読者はもっと場の雰囲気を大切にする、という印象があります。

—— 又吉さんが高級店で食事をしているイメージ、あまり無いかもしれません(笑)。

又吉:下町の酒場で飲んでるイメージですか?(笑) ぼく、両方好きなんですよ。下北沢や高円寺の赤ちょうちん系も好きだし、銀座なんかのきちんとしたお店で食事するのも好きなんです。それぞれの良さがありますよね。

以前、ホテルで数日間カン詰めになって原稿を書いていた際、書き終わったら絶対行こうと楽しみにしていた店があったんです。で、書き上がったので出かけたら、ヒゲぼうぼうで、恰好もラフだったせいか、席も空いているのに「今日はもうおしまいです」と断られちゃって。それでぼく、ヒゲをそって、ジャケットを着て、もう一度出かけたんです。そうしたら、入れてくれましたよ(笑)。 

(写真/内田裕介(Ucci))
又吉直樹(またよし・なおき)
1980年大阪府寝屋川市生まれ。2003年に綾部祐二とお笑いコンビ「ピース」を結成。2015年に本格的な小説デビュー作『火花』で第153回芥川賞を受賞。その後『劇場』(2017年)、『人間』(2019年)を発表。他にエッセイ『第2図書係補佐』、『東京百景』、自由律俳句集『蕎麦湯が来ない』(せきしろとの共著)などがある。YouTubeチャンネル【渦】オフィシャルコミュニティ「月と散文」でも積極的に活動中。 
(写真/内田裕介(Ucci))
『月と散文』
10年ぶりとなるエッセイ『月と散文』(KADOKAWA刊)は、「私もそう思った」「こんなこと、俺にもあったよな」とうなづいたり、思い出したりする身近な想いや出来事の数々が綴られた一冊。装画は漫画家の松本大洋氏が担当した。

(文/秋山 都 写真/内田裕介(Ucci) 編集/森本 泉) 

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