有料会員限定

セブンが打ち出した改革で唯一光った「隠し球」 スーパーとコンビニの中間業態「SIP」の全貌

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
拡大
縮小

セブン&アイが拡大方針を打ち出したミニスーパー「SIP」の狙いを探りました。

スーパーの精肉コーナー
写真はイメージ(写真:AK / PIXTA)

特集「漂流するセブン&アイ」の他の記事を読む

業績は絶好調のセブン&アイ。しかし物言う株主から揺さぶられて袋小路から抜け出せない。『週刊東洋経済5月15日(月)発売号では「漂流するセブン&アイ」を特集。イトーヨーカ堂の改革やそごう・西武売却の舞台裏を徹底取材、なぜ構造改革を進められないのかその理由を探る。
週刊東洋経済 2023年5/20号[雑誌](漂流するセブン&アイ)
『週刊東洋経済 2023年5/20号[雑誌](漂流するセブン&アイ)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

食品スーパー業界は今、大きな岐路に立っている。従来、各スーパーは店内で加工や調理を行うことで、鮮度を重視する日本の消費者に新鮮な食材や総菜を提供してきた。しかしスーパーを取り巻く環境は、こうした労働集約的なオペレーションに変化を促している。

巣ごもり需要の反動減や仕入れ価格の上昇、さらには冷凍冷蔵設備などにかかる光熱費の高騰が三重苦となって、スーパーの経営を圧迫している。そこに人件費の高騰、人材不足の深刻化が追い打ちをかけ、労働集約的なインストア加工を将来的に維持していくことが難しくなりつつある。

こうした課題を解決するためには、生鮮品、総菜の加工・調理の工程をセンターに集中することでオペレーションコストを低減する、というのが最も現実的な解である。ITや保存技術もそれを実現できる段階にまで進歩している。

風穴を開けた「まいばすけっと」

次ページ打倒「まいばす」戦略
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
漂流するセブン&アイ
アパレル撤退は英断でも「まだ3年必要」の不可解
日本のコンビニとは大きく違う立地と嗜好
実験店で展開する売り場改革現地リポート
創業家出身の伊藤順朗代表取締役インタビュー
アパレルメーカーは「織り込み済み」と冷静
スーパーとコンビニの中間業態「SIP」の全貌
売り場は疲弊、池袋本店の余波が広島店にも
寺岡泰博そごう・西武労組委員長インタビュー
そごう・西武売却を急ぐがあまり相次ぐ不手際
水面下で反目し合ったオーナーと社長のバトル
恩讐を超え大きな後ろ盾を得て安心材料に
抜本的改革なしではいつまでも外資に狙われる
3年の時限付き、縦割りの打破が大きな課題
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内