有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #漂流するセブン&アイ

セブン「商品のプロ」が描くヨーカ堂再建策の全容 3年の時限付き、縦割りの打破が大きな課題

7分で読める 有料会員限定

INDEX

石橋誠一郎セブン&アイ・ホールディングス常務執行役員。1966年生まれ。1985年にセブンーイレブン・ジャパン入社、商品本部長などを経て、2019年3月から現職。今年3月から傘下のヨーク代表取締役会長、4月からはセブン&アイのスーパーストア事業統括も兼任する(記者撮影)
セブン&アイ・ホールディングス(HD)にとって最大の課題は、イトーヨーカ堂をはじめとしたスーパー事業の立て直しにある。先日の株主総会で現経営陣の実質的な退陣を要求した大株主のアメリカの投資ファンドは、不採算のスーパー事業を切り離し、コンビニ事業に集中すべきとの主張を以前から繰り返してきた。
そうした「外圧」を受けてセブン&アイは3月、スーパー事業の再建計画を改めて発表した。そのリーダーとなるのが、石橋誠一郎セブン&アイ常務執行役員。石橋氏はセブン-イレブン・ジャパンで商品本部長などを歴任した商品のプロであり、グループの次のリーダーとして名前の挙がる人物だ。
セブン&アイは今回、スーパー事業の再建に3年という時限を設けた。限られた時間の中でヨーカ堂をいかに立て直すのか。石橋氏に聞いた。

ーー入社以来、セブン-イレブン・ジャパンの中枢を歩んできた石橋さんですが、今回、スーパー事業の統括に任命されました

これまでセブンの商品本部長やグループの商品戦略本部長を経験してきた。商品開発もさることながら、物流や調達など幅広い分野でグループ他社の人たちと一緒に仕事をしてきた経験があり、そこを買われたのではないか。

ーー3月に「『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」という目標を打ち出しましたが、「ヨーカ堂を残すための戦略だ」と指摘する関係者もいます。改めて聞きますが、スーパー事業はグループに必要なのでしょうか。

やればやるほど必要だと感じる。歴史をひもといても、スーパー事業はコンビニの成長に大きく貢献している。

一番の成果は「セブンプレミアム」

一番の成果はグループPB(プライベートブランド)、「セブンプレミアム」だ。今やコンビニの食品の売り上げの約25%を占めるが、もともとはスーパーのブランドとして2007年から始まったもので、当時セブンーイレブンは関与していなかった。

商品開発という点では、スーパーはテストマーケティングの場としても重要だ。セブンでもお客様の反応は見られるし、不人気な商品はすぐにオーナーからの発注がなくなるのでわかりやすい。しかし人気が出ると全国2万店から一斉に発注が増えるため、本部のわれわれも相当の準備が求められる。

一方、スーパーは違う。幅広い商品をいろいろな形で提供でき、多様なお客様の声を聞くことができる。そうして成果の出た商品をコンビニに持っていくこともできる。

冷凍食品が典型例だ。スーパーでPBの冷食が好調だったため、これをコンビニにも広げた。反響は大きく、コンビニに冷食がほとんどなかった15年前と比べて1店舗当たり10倍の売り上げにまで成長している。

またスーパーはプライシングの知見も豊富だ。価格の設定はかなりシビアな問題だが、スーパーには値段をどうつけるかや原価をどう下げるかに精通している仕入れのプロが多い。反面、コンビニにはそうした人材はいない。コンビニで扱う惣菜や弁当の原材料は取引先で構成される協同組合が仕入れており、セブン本部には仕入れ機能がないからだ。

2/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数