王者セブンがコロナ禍でミニスーパー化する背景 ヨーカ堂との連携テコに生鮮品拡充と価格訴求

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全7回の特集『コンビニ 再成長への岐路』の第2回。コロナ禍による消費者ニーズの急激な変化を受け、業界の盟主であるセブン-イレブンが模索し始めたコンビニ店舗の新たな形とは。

「セブン・ザ・プライス」の食パン
セブン‐イレブンの店舗に並ぶ低価格PB「セブン・ザ・プライス」の食パン。「6枚入りで税込み105円」と割安感を消費者に訴求する(写真:セブン&アイ・ホールディングス)

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2022年7月、セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長はイトーヨーカ堂の山本哲也社長と顔を突き合わせていた。

議題は2社の連携強化。グループ内での連携は従来、セブンやヨーカ堂の親会社であるセブン&アイ・ホールディングスが主導する事例が多く、事業会社間による直接的な協力は一部商品の共通化など限定的な範囲にとどまっていた。

「コロナ禍で生活様式は大きく変化した。これまでは緩やかな変化だったが、今回は急激な変化だ」。永松社長には、コロナ禍で急速に進んだ需要の変化に対する危機感があった。テレワークの普及や外出自粛によって在宅時間が増えたことで、通勤・通学時や行楽先で立ち寄る需要が多かったコンビニは客数を大きく減らした。

弁当や総菜など調理済みの食品を家庭内で食べる「中食」に強みがあるセブンだったが、コロナ禍によって家庭内で素材を調理して食べる「内食」の需要が急激に高まったことへの対応には苦慮していた。

セブンプレミアム売り上げ減の衝撃

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