全7回の特集『コンビニ 再成長への岐路』の第6回。ファミリーマートは1店舗当たりの1日平均売上高である日販が好調に推移している。その秘訣とは。

ファミリーマートの細見研介社長は、「指揮者」の役割に徹し、現場への介入は極力控える姿勢を取っている(撮影:尾形文繁)
2020年にローソンを日販で抜いて以来、日販・店舗数とも業界2位につけるファミリーマートは、王者セブン-イレブンとの差を徐々に縮めている。
2023年3月に就任3年目を迎える細見研介社長は、ファミマの親会社である伊藤忠商事の岡藤正広会長の懐刀と呼ばれる人物で、伊藤忠からの信頼も厚い。
細見社長が重視し、好調を下支えする「勝ちのリズム」とは何か。細見社長に話を聞いた。
あかんかったら直せばいい
――細見社長の就任以来、クリスピーチキンやクリームパンなどヒット商品を連発しています。何が変わりましたか。
僕は(神輿に)乗っているだけ。コロナ禍でいろいろなことに挑戦していたことが、ちょうど2021年にファミマ設立40周年だったのもあり、社内の意識がまとまってうまく回り始めた。2021年3月発売のクリスピーチキンから勝ち始めて、そのリズムが続いていった。
いい商品やマーケティングだけじゃなく、店舗のオペレーションにどう落とし込んでいくかなど、営業、商品開発、マーケティングで商品開発段階から会議をやるようになって、忌憚なく意見をぶつけ合う。あかんかったら直せばいいのでスピード感も早まった。それがうまくいった。この変化は僕が(伊藤忠から)来る以前に始まっていた。
ファミマには各分野のプロ集団がすでにいる。商品や店舗をどうするかは彼らに任せればいい。僕はどっちかというと指揮者って感じかな。タクトを振っている。
――タクトを振るというと?
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