相川七瀬が語る「芸能人の学び直し」で感じたこと 子どもと一緒に高卒認定に挑戦、大学生活送る

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想定とまったく違う生活になったのですが、もし大学生になっていなかったら、コロナ禍のことをあれこれ心配したり、ライブができないことで落ち込んでいたと思います。大学の課題に追い立てられ、バタバタと日が過ぎていって精神的にも崩れませんでした。

結果的に最初の2年間、仕事と勉強を両立できて有意義な時間になりました。振り返れば本当にタイミングがよかったです。

相川七瀬(あいかわななせ)/歌手・1975年大阪府出身。シングル「夢見る少女じゃいられない」でデビュー。2001年に結婚し、同年長男を出産。2007年には次男、2012年には長女を出産する。2018年に高卒認定試験に合格し、2020年に國學院大學神道学部に入学。直近ではハイセンスプロジェクトリーダーを務める(写真:ハイセンス提供)

―― その後、対面授業が再開しキャンパスに通うようにもなりました。仕事や家庭とどうバランスを取っていますか。

もう4年生なので必要な科目はほぼ単位を取っていて、卒論も進んでいます。けれど自分で授業料払っているから元を取ろうと思って、専門外の分野でも興味のある授業を受けています。なので今はちょっと大変ですね。

大学や大学院に行く芸能人が増える

―― 最近、大学や大学院に入学する30~40代の芸能人が増えています。バラエティー番組の受験企画は昔からありましたが、以前は受験で終わっていたのが、例えば小倉優子さんは合格した大学に入学しました。十分に実績のある芸能人が学び直しをする理由は何でしょうか。

皆さんがどうかはわからないのですが、私は高校を中退し芸能界に入りました。ほかの人たちが当たり前にやってきたことが自分の人生にない、大事なことをやり残して足りていないという気持ちがずっとありました。

例えば私は修学旅行に行っていないんですよ。やるべき経験をやれていないのはなんか心残りで、高卒認定を取ったのもそういう思いからですし、大学で4年間を過ごし、そこでゼミやサークルに入ってみたいなという気持ちが生まれました。

サークルにも参加している

―― 4年生になってサークルにも入ったとか。

大学の親友がお神輿サークルの部長になって、一緒にやろうと誘ってくれました。各地のお祭りでお神輿をかつぐサークルなのですが、今年の夏はお祭りがたくさん開催されそうなのでみんな気合いが入っています。先日は浅草に道具を買いに行きました。

―― 相川さんも夏祭りでお神輿をかつぐのですか。

はい。部長に「学園祭には出てよ」って言われて、「やるよ」と返事しています。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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