18年で5300万貯金、37歳元工場勤務員の「給料観」 高収入の仕事に就かなくても愚直に稼ぐ方法

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副業が推奨されるようになったのは最近のことである。2018年に厚生労働省が「働き方改革」の一環として推進するようになり、会社員にとっても副業という選択肢が身近になった。その約10年前から副業に取り組んでいたかおるさんは、情報感度に加えて行動力が高いと感じる。

オンラインショップでのアルバイトは5年弱続いた。時給制から社会保険なしの月給制に変わり、年収は400万円くらい。副業収入が不安定なため、バラつきはあったが、当時は実家暮らしだったため、月15万~20万円くらいは貯金できたという。学生時代までに貯めた250万円と合わせて27歳時点で1000万弱の資産になった。

1000万円
「1000万円を貯めることで人生が変わる」とかおるさんは強調する(画像:『節約マスクのお金の話』より)

気持ちを切り替えて工場勤務に

その後、かおるさんはオンラインショップを退職し、再び就職活動を始めた。公務員試験を受けたり興味のある企業をいくつか受けたりするが、かなり苦戦したという。

「面接では『何で最初の会社を辞めたの?』と聞かれたり、アルバイト経験は面接官にあまり響かなかったり……。いいことは言えないし、嘘もつけないし、就職活動はものすごく苦手でした」

そこで見つけた職場が、工場だった。

「スキルが身につく仕事や成長できる環境が理想ではありましたが、採用試験に受からないなら気持ちを切り変えて前に進もうと思いました。工場勤務は残業代も支払われるし、働いた分だけきちんとお金がもらえるので安定しています。あとは副業で稼ごうと考えました」

工場勤務での年収は約420万円。この就職を機に1人暮らしも始めた。

「1人暮らしで自炊生活になったので、コスパを考えて夜ご飯を冷凍パスタのみにしてみたりしましたが、肉も食べたいと思うようになるんですよね(笑)。そういうときは我慢せずに、メニューに取り入れています。節約は低いところから始めて、自分の中の許せるラインまで少しずつ上げていく感じで調整しています。

基本的にすべての支払いに関して、できる限り自分の無理のない範囲でそぎ落とす感覚が出来上がっていたので、少なくとも毎月の収入分よりも使うことは絶対にないです」

東海地方に暮らすかおるさんの家賃は5万3000円。地方で、節約家の家賃としては高く感じるかもしれないが、オンラインショップの副業の時間を作るために、会社からの近さ、商品をストックできる広さを重視して決めた。

「副業である程度稼げるようになっていたので、時間を重視するマインドに変化させました。このときから、時間イコールお金の感覚を持ち始めたのかなと思います」

次ページ工場勤務歴は7年、資産は3700万円に
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