GIGAスクール3年目「1人1台端末」で何が変わった?教員600人の本音調査 1人1台端末の「使い方や使用頻度」には大きな差

「オンライン授業」「宿題」「協働学習」「教育全般」について聞いた設問の回答も、「効率的になった」と「ある程度効率的になった」という肯定的な評価の合計が過半数に達している。




なお、いずれの設問でも「以前と比べようがない」という回答が2〜3割強あり、“紙”のやり取り中心で、GIGA端末がなかった時とは明らかに異なる変化が起きていることもうかがえる。
ただ、「テスト」に関しては肯定的な評価の合計が29.8%とかなり低い。学習範囲や学力の定着を図るためのテストをGIGA端末を使ってどのように行うか。タイピングなどを含む児童生徒の端末活用能力にも、まだ差があると考えられ、公平性が重視されるテストでの活用には慎重なのかもしれない。

また、教科書とPCやタブレット端末の重さを比べて「効率的になった」「ある程度効率的になった」という回答の合計も32.3%と過半数を大きく割っている。デジタル教科書や教材が、今はまだ限定されていて、端末も教科書も両方持っていかなくてはならない状況のため、こちらも今後の動きに注目したい。

この調査では「PCやタブレット端末の中に入っている教育プラットフォーム、アプリケーション」について何を使っているか具体的な製品名と、その製品のいいところを記述式で回答する設問も設けている。
プラットフォームやアプリケーションについては多様な製品名が出ているが、Google ClassroomやMicrosoft Education、それらの関連アプリに加えロイロノート、Classi、Qubena、スタディサプリ、ミライシード、Google Jamboardなどが挙がっているほか、「わからない」という回答も多かった。それらの製品の「いいところ」については「使いやすい」という回答が多いが、「悪いところ」については「使いこなせない」「使い方を覚えるのが大変」「操作が直感的でない」「機能が多い」、逆に「機能が少ない」などの意見が多かった。
GIGAスクール構想がスタートして3年。学校間や教員間で活用に差があるのは当然として、着実に学校現場にICTの活用が浸透していることが実感できる調査結果だったといえるのではないだろうか。今後も運用をしながら改善を重ねつつ、技術の進化も速い分野だけに、つねに変化し続けていくことも求められそうだ。
GIGAスクール構想で児童・生徒1人に1台配布された端末に関する調査
対象:小学校、中学校、高等学校教員600名
平均年齢:51.4歳
対象エリア:全国
調査日:2022年12月
(文・崎谷武彦、編集部 細川めぐみ、注記のない写真:mits / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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