GIGAスクール3年目「1人1台端末」で何が変わった?教員600人の本音調査 1人1台端末の「使い方や使用頻度」には大きな差

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

6.2%と少数意見ではあるが「とくに不安や不満なことはないが、そもそもPCやタブレットは本来使いたくない」という回答もあった。おそらくこう回答した教員は、GIGAスクール構想自体に不安や不満があるのだろう。

学校や地域単位での情報共有に課題

GIGAスクール構想のスタートから3年が経過し、実践を積み重ねてきた学校や教員には知見や経験が蓄積されてきている。調査では、学校単位や地域単位で、児童・生徒のPCやタブレットのトラブルや教え方の共有などがされているかどうかについても聞いている。

「学校単位で共有される仕組みがある」が50.5%で半数を超えてはいるものの、「共有はまったくされていない」(14.5%)、「共有はまったくされていなく、個々人でしている」(22.0%)という回答が合計で36.5%にも達していた。少数ながら「地域単位で共有される仕組みがある」(5.2%)という回答もあるが、「学校単位、地域単位で共有されて支援が充実している」という回答はわずかに6.7%だった。

「共有はまったくされていない」という回答をした学校(教員)は、共有する必要がないと考えているのか、あるいは共有する仕組みがないからできていないと考えているのか。いずれにしろ“教員”も誰一人取り残すことなくICT活用を進めていくには、ノウハウを共有する仕組みは必須なのではないだろうか。

GIGA端末で教員の仕事はどう変わったか?

授業でGIGA端末を使うようになり、教員の仕事がどういう影響を受けたかという設問は、業務内容別に回答するスタイルで、結果はなかなか興味深い。

まず「児童・生徒との連絡」業務がどういう影響を受けたかという設問では、全体としては「効率的になった」(15.2%)、「ある程度効率的になった」(44.8%)と肯定的な評価が60.0%に達している。けれども「ある程度非効率になった」(9.3%)、「非効率的になった」(2.0%)という否定的な回答も1割強ある。

「保護者との連絡」についても、「効率的になった」(12.3%)、「ある程度効率的になった」(39.3%)と肯定的な評価が過半数を超えた。こちらも「ある程度非効率になった」(10.0%)、「非効率的になった」(2.7%)という否定的な回答が1割強ある。

児童生徒や保護者との連絡は、ICT端末を使ったほうが効率的のように思えるが、非効率に感じる教員も一定数いることは見逃せない。学校現場でも、このように感じている教員がいないか。つねに注意しながら、理由を明らかにして効率的な活用ができるようサポートをしていきたいところだ。

連絡のようなコミュニケーション手段としての使い方で見ると、「アンケート」では「効率的になった」(24.2%)、「ある程度効率的になった」(45.0%)と7割近くが負担感の軽減を実感していた。簡単にアンケートが作れるフォームの機能や、その結果を瞬時に一覧で共有できるのはICTならではといえるだろう。

同じく「授業のふりかえり」でも「効率的になった」(9.3%)、「ある程度効率的になった」(42.0%)と、過半数が肯定的な評価だった。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事