インバウンド商戦が復活、売れ筋商品は様変わり 百貨店の訪日客急増、中国偏重の戦略見直しも

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日本政府は4月5日から、中国からの入国者に対する新型コロナウイルスの水際対策を緩和した。中国本土から来日する場合に義務づけていた出国前72時間以内の陰性証明が不要となった。

今後は日本との直行便が増え、中国からの訪日客が増加することが見込まれる。ただ、高島屋の村田善郎社長は4月14日の決算説明会で「中国からの訪日客は9~10月の国慶節を機にどう変わるか注目している」と早期の本格回復に慎重な見方を示した。

日本政府観光局によると2019年の訪日外国人3188万人のうち、中国からの渡航者は最多の3割程度だった。一方で、百貨店の免税売上高に占めるシェアでは8割程度に跳ね上がる。

過去最高のインバウンド売上高なるか

ある百貨店関係者は「中国人客は購入金額が他国に比べて桁違いに多かった。現状の回復に加えて中国人客が戻ってくれば、過去最高のインバウンド売上高を記録する可能性もある」と期待を膨らませる。

ただ、かつてのように化粧品を中心とした爆買いが復活するかどうかには疑問符がつく。日系の化粧品ブランドが中国本土での販売を強化しているうえ、中国現地ブランドの人気も上昇しており、わざわざ日本で大量の商品を購入する動機が弱くなっているからだ。

従来は団体バスが店舗に横付けし、数十人が押し寄せる光景が目立った中国人の訪日客も、今後は個人単位で来店するスタイルが主流になるとみる業界関係者は多い。アフターコロナのインバウンド消費にどう対応していくかが、百貨店の持続的な成長のカギを握る。

岸本 桂司 東洋経済 記者

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きしもと けいじ / Keiji Kishimoto

全国紙勤務を経て、2018年1月に東洋経済新報社入社。自動車や百貨店、アパレルなどの業界担当記者を経て、2023年4月から編集局証券部で「会社四季報 業界地図」などの編集担当。趣味はサッカー観戦、フットサル、読書、映画鑑賞。

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