子育て世帯の可処分所得、モデルケースを提示 小倉少子化相「どの程度お金が必要か見える化」

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松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):安倍政権時に「新3本の矢」で、希望出生率1.8の実現という数値目標を盛り込んだ。その後コロナ禍などがあり、人口減少は予想以上のスピードで進んでいる実態があるが、この1.8という数字を今の政府はどう捉えているのか。

両立しなければいけない2つのメッセージ

小倉大臣:これは実は維持している。「希望している人が希望どおり子どもを持てる社会の実現」は、言い換えれば「希望出生率がかなう社会の実現」であるので、そこは下げたわけではない。ただ、出生率そのものを挙げすぎると、何と言うのか……。私もさまざまな人と議論してみてメッセージは2つに分けなければいけないと思っている。子育て当事者に対しては危機感よりも安心感だ。危機感を強く言いすぎると、彼らがプレッシャーに感じてしまってより躊躇してしまうので、当事者に対しては絶対的な安心感(が必要)。それ以外の人に関してはやはり危機感を共有してもらうという2つのメッセージの両立をしなければいけない。そういう中で出生率の数字だけ挙げすぎてしまうと(数字が)一人歩きしてしまう。欧州の国々を見ても、出生率はあくまでも結果であって目的ではないと皆言っていた。そういう進め方が国際的に見てもスタンダードなのではないかという気がしている。

橋下氏:ということは、これだけ異次元の対策をやったとしても、日本の人口がどうなるかわからないというのが今の政府の立場なのか。

小倉大臣:人口そのものについては、この少子化対策の議論の中で関連付けて議論していたわけではない。あくまでも我々が考えているのは、今の少子化トレンドを改善していくということだ。

橋下氏:もう人口の推移は考えずに取り敢えずやれることをやる、人口がどうなるかはその時次第ですよ、という話に聞こえてしまう。

小倉大臣:別に人口減少を甘受してるわけではない。人口が減ると、社会保障制度にもさまざまな影響が出るし、経済規模にも影響が出る。地域の担い手もいなくなる。国家的な課題として人口をしっかり維持していかなければいけないというのは政府全体として持っている。ただ、出生率が人口に与える関係などに関して、いま具体的に結び付けて議論はしていないということだ。

橋下氏:小倉大臣にはとにかく大暴れしてもらいたい。僕は防衛力強化、防衛費増額には大賛成だが、防衛費だけでなく子育て政策にも予算を回さなければいけない。決算剰余金や歳出改革などで出る金をひっくるめて子育てのほうにもってくるぐらいの大暴れを期待している。

(画像:FNNプライムオンライン)

小倉大臣:大暴れします(笑)。

松山キャスター:大規模な予算が必要になる。

梅津キャスター:本日はありがとうございました。

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