自らオーナーシップを持って学ぶための「問い」 忙しくても自家発電できる人が最強な理由

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でも、こんな理屈、頭で納得しても、実際には忙しすぎて自分の疑問なんて追いかけている暇なんてない、と感じる人もいるでしょう。いや、おそらく大半の人がそんな状態なのだと思います。

疑問に思うことを追いかけたい。でも、そんなことを言っている間に、上からいろいろやるべきこと、考えるべきことを指示されてしまう……。

自分の疑問を追いかけるのは、今すぐでなくてもいい

そんな人に、具体的なアドバイスです。

週末ちょっとだけ時間を見つけて、本屋に行ってください。そして、1冊でいいので、自分の心が動く本を買ってみるのです。自分の業務に関係なくてもいい。とにかく、気になる、それを知りたい、と思うものに手を出してみてください。

もちろん買っても読む時間がないかもしれない。いいんです、読まなくても。その代わり、自分の卓上の目につくところに置いておいてください。

その本の背表紙は、時折あなたの視界に入り、やがて誘いかけてきます。「そろそろ、この疑問を追求してみたくない?」と。そのリマインドを常に受けていると、やがてちょっと暇ができた時に、その本を手に取り、自分の問いを追いかけてみようという気になるはずです。

自分の疑問を追いかけるのは、今すぐでなくてもいい。独学の自家発電状態に至るには、適切なタイミングというものがあります。やがて訪れるそのタイミングまでは、なぜか気になってしまう本を1冊でもいいので買っておいてください。

そんな小さな一歩から、独学の種を育てていきましょう。

荒木 博行 学びデザイン社長

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あらき ひろゆき / Hiroyuki Araki

住友商事、グロービス(経営大学院副研究科長)を経て、株式会社学びデザインを設立。フライヤーやNewsPicks、NOKIOOなどスタートアップ企業のアドバイザーとして関わるほか、絵本ナビの社外監査役、武蔵野大学で教員なども務める。『見るだけでわかる! ビジネス書図鑑』シリーズ(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界「倒産」図鑑』(日経BP)など著書多数。

 

 

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