食品の輸入禁止、東京港“外し”……海外で広がる貿易制限措置


また、中国の主要船会社が東京港向けの貨物に対し、船混み割増料金(PCS)の上乗せを始めたという情報も出ている。業界関係者によると、外資船舶会社が東日本への寄港をちゅうちょするのは、乗組員の放射能汚染を不安視しているだけでなく、輪番停電が港湾の物流倉庫にも影響し食品などの荷が適正に保管されないと懸念している理由もあるという。

東日本を回避した船は代替的に西日本へ寄港しているもようだが、関係する産業界では時間ロスやコストの増大といった負担が懸念される。日綜(上海)投資コンサルティングの呉明憲・副総経理は、「こういった混乱が長引けば、さまざまな産業のサプライチェーンが日本製品を敬遠する可能性もある」とみている。

海外の反応を沈静化しようと日本政府は29日、ジュネーブで開かれた世界貿易機関(WTO)の貿易交渉委員会で、科学的根拠がない不当な禁輸をしないよう各国代表に呼びかけた。

ただこれまでの海外の反応の中には、民間企業が経営リスクの回避策として自主的に導入しているものも少なくない。経済産業研究所の田中鮎夢研究員は、「日本政府としては今後、港湾の状況を海外の民間企業に情報提供するなど、従来の貿易政策と違ったアプローチが必要になるのでは」と指摘している。

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