大震災で発生したがれきや廃自動車の行方、宮城県内だけでがれき1800万トン、廃自動車14万台

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阪神・淡路大震災時では、既設の海上埋立地に搬入できたのに対して、今回は「新たに施設を作る必要がある」(県廃棄物対策課)。すでに既報のように、ゴミ焼却施設でも被災した施設があるうえ、現在の家庭ゴミ焼却で手いっぱい。がれきの焼却まで手が回らないのも実情だ。

がれきとともに、頭痛の種になっているのが被災した自動車の処理(上の写真はソニー多賀城事業所付近に放置された廃自動車)。宮城県資源循環推進課によれば、震災による廃自動車は推計14万6000台。県内の保有台数の約10%に相当するという。3月25日に環境相から指針が出たことで、私有地内に放置された廃自動車について、所有者の同意がなくても撤去することが可能になった。そして、仮置き場に搬入したうえで、ナンバープレートまたは車台番号から所有者を特定し、引き渡しを求めていく。なお、所有者が廃車を決めた場合には、自動車リサイクル法に基づき処分を進める。

今回の震災では廃棄自動車の処理も困難をきわめている。「津波の被害で自動車が私有地を含む至る所に漂着している。本来、廃自動車は所有者が処理する原則であるのに対して、今回は家ごと流されてしまっていて、所有者の特定自体が難しい」(県資源循環推進課)。また、「撤去作業を行う車両もガソリン不足で動かすことが難しいうえ、廃自動車の一時保管場所の確保も難題」。3月末時点ではほとんど手付かずの状態だ。


・道路脇に放置された廃自動車(多賀城市)


・倒壊した家屋から出るがれきの処分も今後の課題(松島町)

・大型トラックも廃棄物に(仙台市)

(岡田 広行 =東洋経済オンライン)

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