東大生の親が「不合格だったわが子」にかけた一言 受験不合格は「失敗」ではなく「挑戦の勲章」だ

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しかしお子さんの中には、かたくなに受験を「失敗だ」ととらえてしまう人もいるでしょう。「でも結局、不合格になったら、それは失敗でしょ?」と。

また、親御さんの中にも、同じように考える人もいると思います。「現実問題として、うまくいかなかったことはうまくいかなかったこととして、子どもにしっかり教え込まないといけないのではないか?」と。

これはまったく間違っていないと思います。受験において、不合格というのはある種の「ゲームオーバー」であることは確かでしょう。

受験のゴールは「合格」だけではない

でも、受験のゴールって、なにも「合格」だけではないと思うんです。

僕は、偏差値35から受験しました。そして今も、偏差値が低いところからの受験を支援していて、いろんな生徒を見ています。その中には合格できる生徒もいますし、惜しくも不合格になってしまう生徒もいます。

でもみんな一様に、「成長」しているんですよね。1年ちょっとで、顔つきが変わっているし、大人になっているんです。

彼ら彼女らを見て、ちょっと話しただけで、「半年前の〇〇くんとは全然違うね」と感じる人も多いです。それくらい、受験って成長をうながすものだと思うんです。

もっと言えば、合格した人より、不合格になった人のほうが、人間的に成長できることもあります。

合格した人は、受験の道のりを「うまくいったもの」としか感じられません。「結果的にうまくいったのだから、すべての選択・努力が正しかったんだ」と感じることでしょう。

しかし、不合格になった人は、受験の道のりを振り返って「何がいけなかったのか」「あのとき、どうしていればよかったのか」を徹底的に考えます。後悔して、どうすればよかったのか、合格した人の何百倍も考えます。

だからこそ、受験の振り返りの質は、合格した人より圧倒的に不合格になった人のほうが高いのです。もしかしたら、受験を通して人間的に成長するのは、合格した人よりも不合格になった人かもしれないのです。

受験をゲームと見たら、不合格は「ゲームオーバー=ゲーム終了」かもしれません。

でも、同時に「ゲームセット=ゲーム完了」でもあるのです。最後まで頑張ったのであれば、それはゲームを最後の最後まで懸命に戦ったということで、その分、最後まで成長することができたわけです。そう考えると、やはり「失敗」では決してないのです。

いかがでしょうか?

ただ「不合格=失敗」と考えるのではなく、きちんと戦い抜いた分、成長することができたと考えるようにすると、その後の人生でもいろんな挑戦をすることができるようになると思います。ぜひ、参考にしてみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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