「BMW XM」ケタ違いの実力持つ超高級SUVの正体 その位置づけは既存ラインナップの延長線上にない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「XMにはMハイパフォーマンスモデルだけが用意されます。よって数字は不要なんです」

スペックを見ると、XMのホイールベースは現時点でのXシリーズの最高峰モデルであるX7と共通であり、そのクーペ版と考えればレギュラー版の「X8」、そして高性能版の「X8 M」として世に出ていたとしても不思議ではなかったはずだ。しかしながらあえて今回、XMはMハイパフォーマンスモデル専用車として世に送り出された。それには確固たる理由がある。

「XMのターゲットは今、ランボルギーニ ウルスやメルセデス・ベンツGクラス、アストンマーティンDBXに乗られているようなユーザーです。つまりスポーツ選手、俳優、ミュージシャン、アーティストに有名サッカー選手といったエクスプレッシヴなライフスタイルを送っている方々となります。アンダーステイトメントではなく着飾る、強く表現する。率直に言ってBMWは今現在、そうした層にリーチできていないんです」

X7よりもさらに上級、高価格のゾーン

そう、ターゲットは目下成長著しいハイエンドSUVマーケット。X7よりもさらに上級、あるいは高価格のゾーンだ。BMW社内では「ワイルドリッチ」という言葉も使われているらしい。ここでリッター氏が例に挙げたようなライバルたちと戦うためには、既存のラインナップの延長線上というイメージでは、つまり「X8 M」では弱いと判断したのだろう。ストレートに「X」と「M」を組み合わせるという発想は、ここから生まれた。

ちなみにMモデル専用車には、それ以前に1台だけ前例がある。それはBMW M1。1978年に世に出て、わずか477台のみが生産されたスーパースポーツカーである。

もちろん車名や、そうしたエピソードだけで、この市場に容易に割って入れるわけではない。クルマ自体がデザインもテクノロジーもパフォーマンスも、突き抜けたものでなければならないのは当然である。

次ページデザインもすさまじいインパクト
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事