「いつのまにか資産家になる人」に共通する習性 資産を築くには、収入より支出を意識すべき理由

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まず目を向けるべきは所得ではなく、支出だ。所得がなければ支出もないと言う人もいるが、絶対に違う。

私たちは、持っているお金が少なかったり、満足できなかったりして、お金がないと思い込む。だが、その少ないお金を、どう支出するのか、どう経済的に使うかによって、お金は溜まったり逃げて行ったりするのだ。

今、手にしている少額のお金が最も重要なお金かもしれない。大富豪になるには、時代や運など、様々な要素が必要だが、小金持ちなら、経済的に理にかなった支出を行うだけで、誰でもなれる。

例を挙げて説明したほうがわかりやすいだろう。経済的に理にかなった支出によって、小金持ちになった代表的な人がいる。それは君もよく知っている人だ。誰だかわかるかい? それは、君の母方の祖父だ。

「欲望支出」をなくし「必要支出」も最低限に。その結果は?

君の祖父は、高校卒業できなかった。20歳前に農業をはじめ、70歳を超えた今も農作業をしている農民だ。1人の誠実な農夫に過ぎない。

彼のことを経済知識のない、ただの田舎のおじいさんだという人もいるだろう。しかし、私の考えは違う。君の祖父は、本能的に優れた経済感覚を持つ人だ。

君の祖父は、その田舎では、珍しい数十億ウォンの資産家だ。当然だが、投資について学んだことは一切ない。しかも、農業によるそれほど多くない所得だけで、今の資産を築いている。

君の祖父は、一体どのようにして、その資産を築くことができたのだろうか。その答えは彼の支出にある。君の祖父の欲望支出は、ほぼずっと0だ。酒とタバコは一切やらず、それらは時間とお金の最大の無駄だと思って生きていた。

家族が生活するために必要な最小限の必要支出だけが、彼の消費の全てだった。田んぼや畑でとれたもので食事をまかない、家にある服を着て暮らしている。その結果、必要支出も所得の10%台を超える事はなかったという。

そして、残りの90%はひたすら投資支出に使われた。

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