イオンは「4期ぶり増益」を達成できるのか 総合スーパー改革を断行

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 4月9日、イオンは2017年2月期までの3カ年計画の見直しを発表した。総投資額は1兆5000億円から、1兆3000億円程度に削減する。都内で2012年6月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 9日 ロイター] - イオン<8267.T>は9日、2016年2月期の連結営業利益を前年比23.8%増の1750億円とする計画を発表した。新規連結子会社の寄与に加え、総合スーパー(GMS)改革の進ちょく、ダイエーの赤字幅縮小などを見込んでいる。達成すれば4期ぶりの増益となる。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト14人の営業利益予測平均値は1722億円だった。

若生信弥執行役員(財務担当)は会見で「15年2月期は不本意な結果だが、これを底に、今年度は反転上昇していく」と述べた。

<イオンリテール、既存店はプラスへ>

16年2月期は、マルエツ・カスミ・マックスバリュ関東の3社の共同持ち株会社として誕生した首都圏の食品スーパー連合、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス<3222.T>を新規連結化したほか、ウエルシアホールディングス<3141.T>がフルに寄与する。

一方、GMS事業を行うイオンリテールの既存店売上高は前期の2.8%減から3.5%増へとプラス転換を見込む。地域密着を進めるほか、欠品やレジの混雑緩和などを防ぐために、約30億円を投じてパートタイマーの増強を図る。

イオンリテールの営業利益は、既存店売上高改善と粗利益率改善により、前期の25億円から100億円へと回復を目指す。

17年2月期の黒字化を目指すダイエーも、16年2月期は赤字幅縮小を見込んでいる。

<過去2年、期初計画から大きく下振れて着地>

14年2月期、15年2月期ともに期初には営業利益2000―2100億円の見込みを掲げながら、14年2月期は1714億円、15年2月期は1413億円と、それぞれ大幅に下振れて着地しているだけに、計画数字への信頼性は乏しくなっている。関係者は「保守的に見積もっており、最低限の数字」と話す。

岡田元也社長は、15年2月期の結果を踏まえ「もちろん、満足のいく結果ではなかった」としながらも、首都圏スーパー連合やダイエーの再建などで形を作ることができたと指摘。「消費の最悪の状態は終わった」と、環境の好転もみており、「変化している消費者をどうつかむかだ」と意気込みを示した。

15年2月期は、連結営業収益が前年比10.7%増の7兆0785億円、営業利益が同17.5%減の1413億円となった。全セグメントで増収となったものの、GMS事業が16億円の営業赤字、スーパーマーケット・ディスカウントストア・小型店事業が大幅減益となり、利益を押し下げた。総合金融事業やドラッグ・ファーマシー事業は増益となったが、GMSの落ち込みをカバーしきれなかった。

<3カ年の総投資額を削減>

2015年2月期から3カ年の中期経営計画では、設備投資額を見直した。日本と中国、東南アジアで計1兆5000億円を投じるとした当初計画を、1兆3000億円程度へと減額する。国内新店を抑制し、既存店の活性化に力を入れ、収益力回復を急ぐ。16年2月期、17年2月期の2年間でみると、計画比16%の減となる。

16年2月期の投資は4900億円で、前期から390億円増加する。中国やASEAN(東南アジア諸国連合)での投資を増やす計画。

*詳細を追加します。

 

(清水律子 編集:田中志保)

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