原発ではなく「竹発電」で--丹後の宮津で町興し
「丹後の宮津」、今でいう京都府宮津市は、天橋立を有する観光都市だ。
古代は丹後国府、室町時代は守護所が置かれた。戦国時代は細川藤考、忠興親子が城下町を整備したことで知られる。古代、中世、近世と、大陸交易や日本海海運の港町として繁栄してきた。
日本三景「天橋立」という美しい自然を持ち、海産物にも恵まれ、年間210万人の観光客が訪れる地域である。しかし、漁業、農業などの就業者の高年齢化、繊維、食品などの製造業の衰退が進み、人口は減る一方だ。
かつて宮津市は、3万人を大きく超える人口を持っていたが、今までは2万~2万1000人と大きく人口を減らしている。全国の地方都市は、寂れるばかりだが、宮津市もその傾向を顕著に見せている。
国内初の竹による発電事業に取り組む
そんな宮津市では、バイオマスで町興しをする試みが進められている。
このバイオマスタウン構想を宮津市とともに推進しているのがアウラ(本社・京都市)の野々村道信社長である。
野々村社長は、建築や家具のデザイン、製作を手掛けてきていた。野々村社長は、「町興しには、新しい産業興しが必要だ。それが新しい雇用を生む。宮津市のバイオマスでは、国内初の試みだが、竹による発電に取り組む」としている。
野々村社長は、建築素材として竹の用途拡大に注目してきた。そして今回は、竹に特化した発電に挑戦するというのである。
「バイオマス活用は、効果の面で厳しい評価が下されてきている。だが、竹による発電で、竹被害で困っている地域のモデル事業になれたらよいと思っている」