"中国製"に誤算、電気バスは本当に普及するか 国内メーカー製増、中国BYD製に「規制物質」問題

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EVモーターズ・ジャパンの佐藤裕之社長によると、同社は「日本で唯一EVバスを量産する国内メーカー」。設立は2019年で、2022年4月に運行開始した那覇バス(沖縄県)を皮切りに、今年2月時点でハチ公バスを含めて全国のバス会社に計9台を納入。1月には、国内メーカー製では初という大型EVバスを伊予鉄バス(愛媛県)に納車した。

中国の工場で製造しているが、設計・開発は同社が独自に行っている。車体はCFRPなどの複合材を使用して軽量化し、電力を制御するインバーターに独自技術を採用することで電力消費を抑えて航続距離を長くしているほか、バッテリーの長寿命化を図っているという。

同社は北九州市にEV商用車生産のほか完成車のテストコースや試乗などができる施設を建設中で、今年秋に最終組み立て工場を稼働させる予定。広報担当者によると、2022年度はすでに100台以上を受注したといい、今後同社製のEVバスは各地に広がっていきそうだ。

中古のディーゼルバス改造も

国内製では、ちょっと変わったアプローチのEVバスもある。全国最大規模のバス事業を展開する福岡県の大手私鉄、西日本鉄道(西鉄)グループが手がける「レトロフィット電気バス」だ。

レトロフィットとは旧型の機械などを改造・改装して新たな技術を組み込むことで、その名の通り中古のディーゼルエンジンのバスを改装して造るEVバスだ。今回は2台を製作し、3月中旬から一般道で試験走行を行ったうえで4月以降に福岡市内の営業所で運行を開始する予定。製作費は1台約2700万円だ。

レトロフィット電気バスは、バスの改造などを手掛けるグループ企業の西鉄車体技術が、台湾最大手の電気バスメーカーRAC社の技術指導を受けて製作。中古のディーゼルバスからエンジンを取り外し、輸入したバッテリーやモーターなどを搭載してEVバス化する。北九州市内では2022年6月から同様のバスを運行しているが、こちらは台湾で改造したうえで国内に持ち込んだ車両という。

西鉄はレトロフィット電気バスについて、「まずは自社グループ内で導入を進めていく方針」という。

西鉄の「レトロフィット電気バス」
西鉄の「レトロフィット電気バス」。従来のディーゼルエンジンバスを改造してEV化している(写真:西日本鉄道)

国内メーカー製や中古車改造など新たなEVバスが各地に登場する一方、今春デビューする予定だったバスの運行開始が延期になる事態も各地で発生している。2月中旬、中国の大手メーカーBYD製のEVバスに、日本自動車工業会が自主規制の対象としている人体に有害な化学物質「六価クロム」が使われていることが判明したためだ。

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