韓国「日本は協力できるパートナー」は本心か 大統領演説で示した“異色"の対日メッセージの意味
今回の演説を文字に起こすと総文字数は1039字、朗読時間は約5分20秒だった。これは歴代大統領の演説と比べると、とても短い分量だ。ちなみに、2003年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は2409字、2008年の李明博(イ・ミョンバク)大統領は1760字、2013年の朴大統領は2084字、2017年の文大統領は3280字だった。
これについては、2022年8月15日の演説で日韓関係のビジョンをすでに提示しており、これからは両国で実質的な結果を出すことが重要だというメッセージが込められているとされる。尹大統領は今回の演説に直接手を入れ、分量を減らしたという。
日本の松野博一官房長官は3月1日午後の記者会見で、尹大統領の演説について「韓国は国際社会におけるさまざまな課題への対応に協力していくべき重要な隣国」と述べた。
また「国交正常化以来、築いてきた友好協力関係を基盤にして日韓関係を健全な形に戻し、さらに発展させるため、韓国政府と継続して緊密な意思疎通を行う考えだ」と付け加えた。
最大野党「対日屈従外交の現れ」
一方、韓国の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は自身のSNSで、「尹錫悦政権は三・一独立運動の精神を忘却し、毀損している」と演説を批判した。
同党の朴洪根(パク・ホングン)院内代表は、尹大統領の演説に対し、李朝末期から大韓帝国時代の政治家で日本の韓国併合に強く関与して「売国奴」とされる李完用(イ・ワンヨン、1856~1926年)を持ち出し、「売国奴である李完用と尹大統領の言葉に何の差があるのか理解できない」と強く批判した。
朴氏は「日本帝国主義による植民地支配に全国民が立ち上がった日、大韓民国憲法に明示された崇高な反対運動の精神と建国の理念を否定する大統領の演説だった」と述べた。また、尹大統領が「われわれは世界史の変化にきちんと準備できる、国権を喪失するという苦痛を受けた」と述べた部分を指摘し、「すべて日本の強制的な植民地支配を合理化する植民史観」と批判した。
さらに「(韓国国内の)在来市場に行っても憲法精神を云々とし、国家的にとても重要な記念演説では反逆的で反憲法的な認識をはっきりと示した」と付け加えた。
朴氏は、尹大統領が日本を「協力できるパートナー」と述べたことについて「清算もされていない過去の歴史問題を解決する方法がどこにもない。この事実を尹錫悦政権だけが必死に知らないふりをしている。結局、演説によって尹錫悦政権の対日屈従外交だけが再確認された」と述べた。
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