有料会員限定

「闘わなくなった春闘」が日本経済をダメにした 石油危機、バブル、トヨタ…。形骸化の50年史

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

2002年のトヨタショックは労働運動の転換点になった。組合は「賃上げより雇用」に舵を切った。

掲げられた多数のプラカード。春闘のイメージ写真
(写真:CORA / PIXTA)

特集「大解剖!ニッポンの給料」の他の記事を読む

毎年春の同時期に、企業別労働組合が足並みをそろえて交渉することで賃上げを実現する──。日本独特の春季闘争=春闘が始まったのは1955年のこと。そのありようは、「春闘の終焉」とも評される2度の事態を経て、変貌してきた。

春闘が機能した高度成長期には、賃上げ率がインフレ(物価上昇)率をはるかに上回る状態が続いた。

「生産性向上の結果、経済が伸び、賃金も上がる形だった。賃金の伸びは、GDP(国内総生産)の伸びに重なっていた。春闘で賃上げが産業を超えて波及し、中小で賃上げ率がより高まったことから企業規模間の賃金差も縮小した」

週刊東洋経済 2023年3/11号[雑誌](大解剖!ニッポンの給料)
『週刊東洋経済 2023年3/11号[雑誌](大解剖!ニッポンの給料)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
次ページバブル期に賃金水準は世界トップレベルに
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
大解剖!ニッポンの給料
芳野友子会長「賃金はやはり労使自治の問題」
春闘の構造、日本の賃金が停滞する理由も解説
アトキンソン氏「経営者は搾取をやめるべきだ」
石油危機、バブル、トヨタ…。形骸化の50年史
若手流出に危機感、「終身雇用」維持の公言も
地方の優良中堅企業に「攻め」の賃上げの動き
業種別ランキングで浮かび上がる業界間の格差
雇用の安定と高給が両立する会社はここだ!
OpenWork「1300万件の口コミ」を基にランキング
約4割「やる気低下」、制度設計で企業も苦悶
高収入「コンサル」に転職した人の希望と失望
大企業から転職した若手エリートの胸の内
開発の巨大化、人材不足。成長痛に苦しむ業界
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内