アメリカの高校生が学ぶ「米国株投資」の超キホン なぜ「インデックスファンド」なのか?

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インデックス投資には、自分が何に投資しているかわかりやすいという大きな利点もある。たとえばS&P500のインデックスファンドなら、あなたが投資しているのはS&P500に含まれる銘柄だけだ。

S&P500に含まれる銘柄は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスという会社の指数委員会が選定している。変更される銘柄は平均して年に5%ほどで、買収された会社や破産した会社などが除外され、新しい成長企業や優良企業が加えられる。

これはつまり、構成銘柄の95%はほぼ変わらないということであり、この安定性は投資家にとって大きな魅力だ。一方でアクティブファンドは、ファンドマネジャーが独自の判断で売買をくり返しているために、投資家には中身がよくわからなくなっている。

アクティブファンドは本来の投資目的を外れてしまうことが多い。たとえば、小型株に特化したファンドだったはずなのに、小型株の値動きによっては、いつの間にか中型株か、さらには大型株のファンドになってしまっていることもある。その点、インデックスファンドは投資する銘柄がはっきり決まっているので、投資家にとっては魅力的な手段になる。

税金が安いのはなぜ?

できれば払いたくないが、税金から逃れることは不可能だ。だから資産形成では、必ず税金のことも考慮しなければならない。課税口座で運用するなら、アクティブファンドよりもインデックスファンドのほうが、おそらく税金は安くなる。

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その主な理由の1つは、インデックスファンドは「ターンオーバー」が少ないことだ。

ターンオーバーとは保有銘柄を変更することで、アクティブファンドは頻繁に売買を行ってターンオーバーが起こるので、そのたびに売却益から税金を払うことになる。一方でインデックスファンドは、基準となる指数と同じ銘柄を保有していればいいので、ターンオーバーが少なく、そのため売却益にかかる税金を払う回数も少なくてすむ。

誤解しないでほしいのだが、私はなにもアクティブファンドは「ダメ」だといっているのではない。しかし、ほぼすべての主要カテゴリーで、アクティブファンドよりもインデックスファンドのほうが優れているのは事実だ。

もちろん、リスク許容度が高い人や、ファンドマネジャーが市場に勝つことを目指して独自の判断で売買するスリルを味わいたい人は、アクティブファンドに魅力を感じるだろう。とはいえ、魅力を感じるからといって、それが必ずしも正しい選択であるとはかぎらない。インデックス投資の効果はすでに証明されているのだから、あなたもその力を自分のために活用してみよう。

ティモシー・オルセン

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金融の専門知識が豊富な個人投資家。わずか13歳のときに『13歳からの投資のすすめ』(東洋経済新報社)を出版し、現在の年齢は30代前半になる。同書は、ティーンエイジャーがティーンエイジャーに向けた書いた投資ガイドという点で画期的な一冊だった。本の出版以来、長年にわたってティーンを対象にした金融・投資教育の重要性を訴えてきた。ルイジアナ州立大学でファイナンスの学士号、ロヨラ大学ニューオーリンズ校で修士号をそれぞれ取得。多数の高校や会議で金融と投資に関する講演を行い、CNBCやブルームバーグをはじめとする金融情報のテレビ番組にもゲスト出演の経験がある。

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