韓国で「同性愛者保護」への反対運動増えている訳 画期的な高裁判決でも差別禁止法案は停滞中
韓国の高等裁判所は2月21日、国民健康保険に対して同性カップルでも被扶養者として認めるよう命じた。この判決は歓迎すべき勝利と見なされているが、支持者は性的少数者の権利を保護するために韓国があとどれほど前進しなければならないかを浮き彫りにしたと語る。
韓国では性的少数者の社会的受容が進んでいるにもかかわらず、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーの人々に対する差別を防止するための法案が国会で阻止されているのだ。
キリスト教保守派が反対し続けている
この法案に反対している決定的な要因は、強力なキリスト教保守派のロビー活動である。保守派の国民の力党の政治家たちは、教会に通う人たちを重要な票田として頼りにしている。しかし、中道左派の民主党が政権を握っていたときでさえ、両党の議員たちはこの声高なグループの要求を受け入れていた。
野党第一党の議員で2021年の法案提出者である権仁淑氏は「この法案ほど激しく攻撃されたものはない」と述べた。
このような措置は、他のアジア諸国でも支持されている。タイでは、2015年にクィアの権利を保護する法律が施行された。台湾では、性的少数者に対する差別は約15年前から法律で禁止されている。対照的に韓国では、アメリカ大使がLGBTQの権利を支持すると発言した後、抗議者たちがアメリカ大使の家の前で同性愛嫌悪の看板を掲げている。
「反差別法」と呼ばれるこの法案は、韓国の一般市民の間で支持を得ている。ギャラップ社が最近行った調査では、韓国の成人の約57%がこの法案に賛成している。賛成派は、法案が通過しなかったのは、この国の法律がいかに時代にそぐわないかを示す一例であると見ている。