BMW燃料電池車「iX5」に乗って見えた水素の未来 環境対応担う車は何もバッテリーEVだけじゃない

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日本の燃料電池車も、スムーズな走りで、電気自動車のいいところをしっかり持っているものの、充填ステーションの数や水素燃料の価格ゆえ、あえて選ぶという選択肢は見つけにくいのも事実。

BMWは、そういう問題が解決されることを見越して、今回の試乗会にこぎつけた。

「燃料電池は、船舶や大型トラックの業界が注目している技術です。なのでいま投資を呼び込めていて、これからインフラが大きく成長することが期待されます」

会長がわざわざミュンヘンからやってきた試乗会。ジャーナリストに水素への期待を語ってくれた。

アントワープ港には水素充填ステーションが開設されている(写真:BMW)

「水素はリニューアルエナジーであるばかりか、貯蔵も運搬もできるという高い効率を持っています」

水素の価格もこれから下がる可能性があると、MIRAIを開発したトヨタ自動車の担当者も語ってくれたことがある。

BEVだけでなく燃料電池車も未来の選択肢

CO2などを排出しないクルマというと、バッテリー駆動のEVと、今回の燃料電池のEVがある。どっちかでなくてはダメということはなく、選択肢が多くなったのがうれしい。

BMWによると、BEVがこのまま増えていくと、充電ステーションなどインフラのコストが飛躍的に上がっていく可能性があるという。

FCVのための水素は(前記のように)価格など解決すべき問題はあるが、それがうまくいけば、全体として効率がよくなるとみている。

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日本も欧州なみに充填時に特別の免許がいらないとか、ステーションが24時間営業しているとか、いろいろ越えるべきハードルはある。

車両でいうと、日本の燃料電池車に課せられた水素タンクの圧力基準は厳しすぎるし、15年たったら高価な水素タンクを交換するという義務など、“どうなんだろうなあ”と思うことが存在する。

iX5であらためて燃料電池車のポテンシャルの高さに気づかされた私としては、規制によってせっかくの日本の技術がガラパゴス化し、国際競争性が失われるのを、いたく心配するのである。

小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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