「BTSのRMもファンの脚本家」語る韓国映画の裏側 「別れる決心」手がけたチョン・ソギョンに聞く

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(左)BTSのRM(写真:アフロ)(右)チョン・ソギョン(写真:© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED)

『オールド・ボーイ』『お嬢さん』など、観る者の心を揺さぶる激しい描写で世界中の観客を魅了した韓国の巨匠パク・チャヌク監督の最新作『別れる決心』が2月17日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。

第75回カンヌ映画祭コンペティション部門では監督賞を受賞し、アカデミー賞(R)国際長編映画賞部門の韓国代表に選出された同作だが、脚本を手がけたのは、巨匠の右腕として『親切なクムジャさん』『サイボーグでも大丈夫』『渇き』『お嬢さん』などを書いたチョン・ソギョンだ。

近年はパク・チャヌク作品のみならず、日本ドラマのリメイク『マザー~無償の愛~』や、Netflixドラマ『シスターズ』などを手がけており、幅広く活動中だ。

RMもチョン・ソギョンのファン

韓国では公開後に発売された脚本集がベストセラーを記録するなど話題を集めたほか、劇中のセリフがネットで大流行。そして世界的人気を誇るグループ、BTSのメンバーであるRMもチョン・ソギョンのファンを公言しており、同作を繰り返し鑑賞したことをSNSで報告している。

そこで今回は、気鋭の脚本家であるチョン・ソギョンに新作の話、そして韓国でのシナリオをめぐる状況などについても聞いた。

――今回の映画は、これまでのパク・チャヌク作品の特色であった、暴力やエロスに彩られた強烈な展開や描写などが抑え気味な印象を受けたのですが、この作風の変化については?

やはり血が出てくるとか、人体を切断するようなシーンは非常にショッキングですよね。そういったシーンを見た瞬間に、観客は恐怖や嫌悪感を抱くこととなるわけですが、逆に言えば感情移入ができるとも言えます。

作り手にとっては、そうやって観客との緊密な関係を築くことができるという利点があり、そういう意味でパク・チャヌク監督の映画には暴力的な仕掛けが多かったんだと思います。

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