岸田首相がバイデン米大統領を上機嫌にしている。広島サミットに向けては「隠し球」の準備も。
それは昨年3月24日午後(現地時間)、ベルギーの首都ブリュッセルにある北大西洋条約機構(NATO)本部でのハプニングだった。NATO本部で開催された主要7カ国(G7)首脳会合直前のことである。
岸田文雄首相はボリス・ジョンソン英首相(当時)との会談後、ジョー・バイデン米大統領との立ち話が予定されていた。
満面の笑みを浮かべ「ハ〜イ、フミオ」と歩み寄るバイデン氏に、岸田氏も思わず「ハ〜イ、ジョー」と応えて両氏は固い握手を交わした。左手を岸田氏の右肩に置いたバイデン氏の握手は続き、和やかに話す両首脳の様子はニュース映像で喧伝された。あまり知られていないが、岸田氏は英語が堪能で発音はネイティブ並み。
現場に居合わせた外務省幹部は、振り付けもない岸田氏の予想外のパフォーマンスに驚いたという。
この“前科”があったので、年初の1月13日午前11時半(米東部時間)、ホワイトハウス(WH)南正面玄関の車寄せで岸田氏を出迎えたバイデン氏が旧知との再会のうれしさを隠そうとしなかったことに驚きはしなかった。
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