12月20日に日本銀行が長期金利目標のレンジ上限をそれまでの0.25%から0.5%に引き上げることを決定した。その際に日銀は「市場機能の改善」を理由に挙げた。それから翌月の金融政策決定会合までの約1カ月間、日銀は市場での追加政策修正の思惑に対抗するために累計24兆円もの長期国債を市場から購入した。
結果的に一部の国債は市場残存額が減少し、流動性がほぼ枯渇する状況に至った。この状況を見て、YCC(イールドカーブコントロール)政策はいよいよ限界に達しているとの評価も一段と強まりつつある。
市場の機能と役割
12月の政策修正時に日銀は、企業金融にも影響が及ぶ可能性が出てきたために政策を修正すると説明した。国債市場の流動性低下が資本市場の根幹ともいえる企業の資金調達市場に影響を及ぼすことは由々しき問題だと日銀は言うのである。しかし、現状で国債市場の流動性低下によって、日本企業に財務運営上問題となるほどのコストアップがもたらされているのかというと、そこまではいえない。
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