周りに好かれる人が「必ずしている」怒りの対処法 怒ったり叱ったりした相手からも好かれる作法
たとえば、遅刻。
「電車が事故で大幅に遅延して……」とか「道で困っているおばあちゃんを助けて……」など、明らかに原因が本人以外にある場合はもちろん、一見、その人自身に原因がある場合でも、「連日忙しくて、どうしても朝起きられなかった」「出がけに、干さなければいけない洗濯物があることを思い出した」「子どもやペットが言うことを聞いてくれず、なかなか家を出られなかった」など、本人にとっては不可抗力としか思えない理由や事情が、きっとあるはずです。
しかし、どのような理由や事情があろうと、「それをわかってほしい」という気持ちを一度ぐっと飲みこんで、まずは「遅れてすみません」としっかり謝りましょう。
相手にとっては「あなたが遅刻した」という事実のみが重要であり、あなた側の理由や事情などは、基本的にはどうでもいいからです。
謝罪した直後に、理由や事情を伝えるのもNGです。
せっかく謝っても、すぐ後に言い訳をしたのでは、謝罪をした意味がなくなってしまいかねません。
理由や事情を話すのは、謝罪後に相手から訊かれた場合のみ。
どうしても相手に理由や事情を知ってほしいのであれば、謝罪後しばらく時間がたち、相手の怒りなどがしずまってから「実は」と話すようにしましょう。
やや姑息な手段ですが、後日怒っている本人に伝わるよう、その人と近しい別の人に事情を話してしまうのもありかもしれません。
「怒るとき、叱るときは相手の事情を考慮し、謝るときは言い訳しない」となると、自分ばかりが損をしているような気持ちになるかもしれませんが、残念ながら、世の中というのは、往々にして不平等なものなのです。
「自分が正しい」と信じているのは本人だけ
ちなみに私も、子どものころはかなりの言い訳番長でした。
自分の言動やミスを親や先生などから咎められ、自分としては「そんな言動をとった(そんなミスをした)正当な理由」だと思っていることを伝えているだけなのに「言い訳をするな」と叱られるたびに、「事実を話しているのに、『言い訳』の一言で片づけられるのは理不尽だ」と思ったものです。
でも年齢を重ねるにつれ、わかってきました。
法廷で争っているならともかく、人と人とのコミュニケーションにおいて、怒っている相手や対立している相手に対し、「自分の正しさ」を主張することは、百害あって一利なしです。
人は、結局は感情の生き物であり、「正しい人」を好きになったり、話しやすいと感じたりするわけではありません。
誰かに腹を立てたり迷惑をかけられたりしたとき、相手が謝りもせずに言い訳ばかりしていたら、おそらくみなさんも「こんな人とはまともにコミュニケーションできない」と思うでしょう。