周りに好かれる人が「必ずしている」怒りの対処法 怒ったり叱ったりした相手からも好かれる作法
もっとも、人間には、どうしても我慢できず、いきなり感情を爆発させてしまうことがあります。
あるいは、いきなり怒ったり叱ったりしたほうが、相手の脳に「これはやってはいけないことだ」「今度から気をつけなければいけない」という情報が強烈にインプットされ、結局は相手のためになるかもしれません。
ただ、そのような場合でも、後で必ず相手の言い分にきちんと耳を傾けること。
それができれば、「この人とは話したくない」と思われることは少なくなるでしょう。
もちろん、「大勢の人の前で」「ネガティブなだけの言葉で」怒ったり叱ったりするのはNGです。
「見せしめのため」「マウントをとるため」に人前で誰かを叱るというのは、他者を支配するためにしばしば用いられる手段ですが、それによって表面的に相手を萎縮させ、従属させることはできても、決して本当の意味で心を許してもらうことはできません。
「だからお前はダメなんだ」などと頭ごなしに言う人より、「ここに気をつけたほうが、もっとあなたにとってプラスになると思う」と言う人のほうに、たいていの人は良い感情を抱くはずです。
怒るとき、叱るときは、あまり多くの人はいない場所で、ポジティブな言葉を交える。
それも、怒ったり叱ったりした相手からも、話しやすい人だと思われるポイントの一つだといえるでしょう。
などと、知ったようなことを書いていますが、私自身は、人に対して怒ったり叱ったりすること自体が苦手です。
他人に直接怒ったことは、特に大人になってからは数えるほどしかありませんし、子どもや部下がいないせいか、誰かを叱ったこともほとんどありません。
腹が立つことや相手のミスによる被害を受けることがあっても、「腹は立ったけど、冷静に考えたら、別にわざわざ怒るほどのことでもないよね」「まあ、人間だから失敗もあるよね。自分もよく失敗するし」「自分でダメだと気づかないと、なかなか人間、変われないよね」などと考え、黙って放置したり、「ミスを責めるより、先にミスをカバーする方法を考えないと」と思ったりすることが圧倒的に多いのです。
このように、めったに怒ったり叱ったりしないことこそが、私が比較的いろいろな方から「話しやすい」と感じていただけている、非常に大きな理由の一つになっているとは思います。
ですから、話しやすい人になるためには、そもそも怒ったり叱ったりしないことが一番……だといえるかもしれませんが、それが人として正しいあり方なのかどうかは、私にもわかりません。
謝るときは言い訳をせず、謝罪に徹する
では、逆に、自分(あるいは自分の身内や部下など)が誰かを怒らせたり、傷つけたり、ミスをしたりして謝らなければならなくなったときは、どうすればいいのでしょう。
ここで大事なのは、「言い訳をせず、きちんと謝ること」です。
当たり前のようですが、これができない人は少なくありません。
自分の非を認めないことで、自分自身の価値やプライドなどを守ろうとする心理が働いたり、「非を認めたらこっぴどく怒られたり、損賠賠償を請求されたりするかもしれない」という恐れが生まれたりするため、明らかに自分に非があっても、素直に謝ることができないのです。
もちろん、いろいろと言い分はあるでしょう。