福島県磐城高校・生徒に強制しない監督が「甲子園出場」決めた納得の理由 自主性に任せて、子どもたちはどう変わったか?

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岩間:はい。今まで、こういう多くのことを経験させてもらって、やっぱりこの経験を生かしたいなと思っています。教員という形で野球の魅力だったり、子どもたちに、こういう困難を乗り越えることの大切さだったり、いろいろ教えられればと思っています。甲子園での試合が終わった時に、保先生から指導者として戻ってきてほしいという言葉をかけていただいて。漠然としていた目標が、明確に絶対なろうという目標になりました。それは揺らぐことはありません。

高橋:すてきですね。先生、うれしいですね。

*ボーク重子 取材後の感想*
必要なことは、改革しようと決意する「勇気」ではなく、「そもそもどうして子どもと関わる仕事に就いたのか」という根本の問いにあるのだ、と実感しました。またビジョンを共有して、子どもを信じて見守る。それが子どもの「主体性」や「やり抜く力」、そして「協働力」を育むカギだなとも感じました。こうやって、子どもを信じて子どもに任せてみよう、このやり方を試してみよう、と思う監督さんが一人でも多く現れることを願っています。それが岩間くんのように、すばらしい非認知能力を身に付けた次世代を育成していくと確信しています。そしてこれは野球部に限らずあらゆる部活動や、クラス運営、子どもとの関わりの中でも実践することが可能なのではないでしょうか。木村元監督と岩間くんの最高に爽やかな人間力に触れることができたことに感謝しています。

 

ボーク重子(ぼーく・しげこ)
 ICF認定ライフコーチ。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。米ワシントンDC在住。30歳の誕生日前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強で訪れた南仏の語学学校で、米国人である現在の夫と出会う。1998年渡米し、出産。子育てと並行して自身のキャリアを積み上げ、2004年にアジア現代アート専門ギャラリーをオープン。2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)とともに、「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。また、一人娘であるスカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝し、多くのメディアで取り上げられた。現在は、全米・日本各地で“子育て・キャリア構築”“ワーク・ライフ・バランス”について、コーチングと講演会を開催している。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)、『しなさいと言わない子育て』(サンマーク出版)など
(写真:尾形文繁)

(企画・編集:高橋真由、注記のない写真:木村氏提供)

執筆:ボーク重子
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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