静岡リニア「人を呪わば穴二つ」川勝知事の慢心 新幹線の県内停車頻度に関し首相に面会求める

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岸田首相の発言を逆手に官邸へ意見書を送ることを明らかにした川勝知事(静岡県庁、筆者撮影)

静岡県の川勝平太知事は2023年1月11日の会見で、「夏までにリニア開業後の東海道新幹線の停車頻度増加をシミュレーションさせる」という岸田首相の発言を逆手に取り、近く、官邸に意見書を送ることを明らかにした。岸田首相に直接、説明するために面会を求める意向も示した。

川勝知事にかかれば、相手を挑発させて「リニア議論」を長引かせるための意見書となり、リニア開業に向けてさらなるダメージを与えることになる。

官邸だけでなく、国土交通省、JR東海へ送り続けている膨大な数の意見書を見れば、「公益」に反してリニア計画を遅らせる傲岸不遜な川勝知事の正体がわかるはずだ。その現状を理解したうえで、岸田首相は行動に出るべきだった。

川勝知事に対抗できるのは、選良による「政治の力」しかないのだが――。

川勝知事に機会を与えただけ

岸田首相は1月4日の会見で、リニアの全線開業に向けて大きな一歩を踏み出す年にしたいと、未着工の静岡工区に触れて、地元との調整、国の有識者会議の議論を進めるとともに、東海道新幹線の停車頻度の増加についてシミュレーションの結果を8月頃までに示したいと発言した。

ほかの沿線県のような新駅設置計画がない静岡県にメリットを示すのが官邸の狙いなのだろうが、「反リニア」に邁進する川勝知事にまんまと絶好の機会を与えただけである。

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川勝知事は「シミュレーションは2つ別にわけて考えるべき。品川―大阪間だけでなく、まずは品川―名古屋間が開業したときをシミュレーションする必要がある」などと述べて、品川―名古屋間の開業では、現在ののぞみ号の機能がリニアに移らないという説明をとうとうとした。

2027年品川―名古屋間が開業した後、2037年が品川―大阪間の全線開業であれば、その10年間はリニアに乗り換える人が増えない理由について、のぞみ号ならば東京駅で乗車できるが、リニアの場合、東京駅から品川駅まで移動する時間的、肉体的な負担が大きく、大阪に向かうための名古屋駅での乗り換えでも同様の負担があるという。また、リニア運賃は新幹線に比べて2倍以上になるなどと説明した。

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