スタンプカード「最初から押してある」納得のワケ 進捗状況は人間の「やる気」を大きく左右する
今週1回目の運動と、今週5回目の運動を比べたとき、一度の運動が健康にとってもつインパクトは、1回目のほうが大きい。健康的な身体づくりを目指すにあたり、運動がゼロなのか1回なのかという違いは、4回なのか5回なのかという違いよりも重大だ。
年内に本を20冊読むという目標を設定したなら、読書で教養を高めるにあたって、読んだ本がゼロか1冊かの違いは、19冊か20冊かの違いよりも重大だ。今年は1冊も本を読んでいない人と、1冊読んだ人がいたら、後者のほうが明らかに読書量が多いと判断するだろうし、その判断は間違っていない。
ところが19冊読んだ人と、20冊読んだ人がいたら、読書量の差はきわめて少ないとみなす(ただし、目標に1冊足りないという点では失望するだろう)。目標が20冊だったのに、30冊読んだとしたら、多すぎてよくなかったとすら感じるかもしれない。
進捗がモチベーションを高めないことも
蓄積型目標を掲げているなら、指標の数字にほんのわずか届かなかったとしても、目標を目指したことによる恩恵の大半はすでに回収している。この場合、進捗によってモチベーションが高まることは必ずしも期待できない。
たとえば、大学に行くことを「単位を得る」というオール・オア・ナッシング型目標の行動とは考えず、「教養を高める」という蓄積型目標で考えているのだとしたら、卒業のために必要な最後の講義は、自分の知的成長に対するインパクトがもっとも小さい。最後の講義は飛ばしてもかまわないとすら思うかもしれない。
実は、蓄積型目標であっても進捗がモチベーションを高める場合も多いのだが、それは理由が違うのだ。
(翻訳:上原裕美子)
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