スタンプカード「最初から押してある」納得のワケ 進捗状況は人間の「やる気」を大きく左右する

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カフェでリラックスする女性
カフェでもらうスタンプカードに、「ボーナスポイント」として最初からスタンプが押されているのには理由があります(写真:Ushico/PIXTA)
ダイエットや禁煙、外国語学習、ジム通いなど、私たちは何かの目標を達成しようとして、ついつい途中で挫折してしまう。
しかし、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの心理学者で、モチベーションサイエンスの第一人者のアイエレット・フィッシュバック氏によると、誰でも簡単な方法で自らの「やる気」を自由自在にコントロールし、望む成果を得られるという。
今回、2月に刊行されたフィッシュバック氏の著書『科学的に証明された 自分を動かす方法』より、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

目標達成に近づくほど「やる気」が高まる

目標達成に向けたインパクトが生じたという手ごたえがあると、人は強くモチベーションをかきたてられる。達成に近づく努力を重ねるたび、同じ努力1回が目標を満たすインパクトを、より大きく感じるようになる。

『科学的に証明された 自分を動かす方法』(書影をクリックすると、Amazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

学内のカフェでカードにスタンプを集め始めた私にとって、1杯目のスムージーを買う行為は、無料スムージーの10%を獲得する行為だ(必要なスタンプ10個のうちの1個)。

7杯目のスムージーを買う行為は、無料スムージーの25%を手に入れる行為に相当する(残り4個のうちの1個)。最後の10杯目を買うときには、その1杯で無料スムージーの100%を手に入れる。

近所の喫茶店のポイントカードや、フライトマイルを貯めると飛行機に無料で搭乗できるマイレージシステムなどで、多くの人がこれと同じ体験をしている。1杯飲むたび、1回飛行機に乗るたびに、1杯や1回が賞品獲得に寄与するインパクトは大きくなるのだ。

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