何でも「途中で挫折する人」に欠けた決定的な知識 自分自身を動かす「モチベーションサイエンス」
行動の変化を導くためには、欠かせない基本要素が4つある。
第1に、目標を選ぶこと。恋人を見つけたい場合でも、逆立ちに挑戦する場合でも、ベテランでも初心者でも、まずは目指す方向を決めることから始めなくてはならない。
第2に、現状から目標到達まで、モチベーションを維持すること。パフォーマンスに対する肯定的・否定的フィードバックの両方を求め、ここまでに積み上げた実績と、ここから対応すべき積み残しの課題を把握し、進捗状況をつねにチェックする必要がある。
そして第3に、複数の目標を同時にさばく方法も学ばなくてはならない。ほかの目標やほかの願望が入ってきて、正反対の方向に引っ張られることもあるだろう。整理して優先順位を設定し、適切なバランスをとっていく。
最後に第4の要素として、周囲のサポートをうまく利用することも考えておきたい。1人で目標を達成するのは難しいし、邪魔が入ればいっそう道は険しくなる。逆に言えば、周囲の人々に背中を押してもらえるなら、道のりはぐっと楽になるはずだ。
目標実現に必要な要素とは?
こうした基本要素が必要だと理解するのが、まずは第1歩。次に、自分の目標実現に向けてどの要素が欠けているのか特定する。
コショウをかけるべき料理に塩をかけても意味がないように、すでに支援があるのに周囲の支援を求めてもモチベーションは高まらない。
目標に対する思い入れの薄さが原因なのだとしたら、内発的なモチベーションがわきあがるような取り組み方を探す必要がある。
問題や課題は人によってさまざまなので、たった1つの戦略で何もかも解決するわけではない。
本書では、あなた自身が自分の道をデザインし、状況にふさわしい戦略を選べるようになることを期待している。
モチベーションサイエンスの原理を、あなたが、あなた自身に対して活用してみよう。頭の中にある「ゴールシステム(目標体系)」を理解し、目標の違いによってアプローチも違ってくることを学び、つまずきやすいポイントやタイミングも把握しよう。
(翻訳:上原裕美子)
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