小栗旬「ハマりすぎない役者」に"ハズレ作"ない訳 「鎌倉殿」の次に選んだのは原点回帰の当たり役
小栗旬は、昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK、脚本:三谷幸喜)で1年間、堂々と主役を演じきった。
その後、NHKで放送された『大河ドラマ主演SP対談 小栗旬×松本潤 今だからこそ、大河について話そう』(2022年12月29日放送)という番組で、松本潤が小栗に対して興味深い感想を述べていた。
「『鎌倉殿』を見たときにおもしろいなと思ったのは、やっぱ小栗旬という人と松本潤という人がいたときに、なんかこう、あの『鎌倉殿』の世界観と『どうする家康』の世界観ってなんかこう……なるべくしてなってるんだろうなっていう感じがする。っていうのは、俺が『鎌倉殿』をやってる可能性はないと思うし(中略)エンタメ感とかなんて言うのかな、戦国のオールスターズが出てくる作品でほんとに華やかな話をやれるっていうのは、ある種ご縁があって選んでもらったんだなって」
小栗旬と松本潤の俳優としての資質には違いがあると、松本が漠然と感じたことはなかなか興味深い。“戦国オールスターズ”の出る華やかなドラマに出ることを宿命づけられた「ジャニーズ」というブランドを背負う松本に対し、小栗はどのような素質の俳優なのか。それについて論じるには、「鎌倉殿」がクランクアップしてすぐに小栗が取り掛かったネクスト作品が、格好の材料になる。
「鎌倉殿」と同じ13世紀の物語を演じる
小栗旬が、大河主演の次に選んだ作品は、シェイクスピアの『ジョン王』という歴史劇である。2022年12月26日、小栗の40歳の誕生日に幕を開けた。一時、出演者の体調不良により中断したものの再開し、連日満員で当日券は争奪戦の同作は、奇しくも「鎌倉殿」と同時代の13世紀が舞台になっている。
この時代、日本では御成敗式目が、イギリスではマグナカルタが制定されていることからも、時代のひとつの転換点といえるだろう。日本では小栗演じる北条義時が、西からの支配を終わらせて新たな武家の時代を築いた。イギリスでは、今回、小栗が演じる先王の私生児が、フランスやローマ教皇の脅威から逃れた祖国の未来を讃える。
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